今年もこの記事を書く季節がやってきました。
サブスクリプション全盛の2019年にあいも変わらずCD買っています。
これまではライブに行くために出演バンドのCDを買うことが多かったのですが、今年はいわゆる「予習」よりライブハウスで感じたことが大事にしようと観たことのないバンドは目撃した後ステージが良かったらCDを買って帰るというパターンに変えました。
音楽シーン全体も楽曲販売よりもライブやフェス・グッズ販売に重きが置かれるようになり、CDも「ライブ会場限定」みたいにライブハウスに来てもらうためのツールとして存在していたように感じる2019年でした。
世の中のヒット曲はというとKingGnuとOfficial髭男dismの大ヒットが印象的でした。
ここ3年位の邦楽シーンはテレビ番組の関ジャムがトリガーになって「国民的」なヒット曲が生まれているような印象です。テレビ以外で人気が出ているバンド(バンド以外も)はスマホアプリやSNSで共有されてヒットしていくので、一部の年代から上の人たちはサッパリ知らんという状況になっているようです。
さて前置きはこのくらいにして、今年1年で増えた112枚のCDの中から私が特にたくさん聴いたなと言う曲を紹介していきます。一部今年発売ではないCDも含まれていますがご容赦ください。また便宜上番号を振っていますが順位かどうかはどっちでも良いので読み手の好きに受け取ってください。
「次にバズる」とか「ブレイクする」とか本当にどうでもよくて(当人たちにとっては収入が変わるからどうでもよくない)、音楽やバンドは生活の中に寄り添うようなものなのです。私自身は日曜日だからといって邦楽ロック好きと繋がりたいなどと思ったことは1秒もなく、ただこの記事で紹介した曲からあなたの趣向に合うバンドが見つかる機会となれば幸いです。
毎年のことですがこの記事クソ長いのではてなブックマークとかして暇な時に少しずつ読みつつ、是非曲買うなりライブ行くなりよろしくです。
<目次>
去年と一昨年のベストヒットはこちら
2018年 邦楽 私のベストヒット このCD26枚からこの26曲 - GAJUMARU
2017年 邦楽 私のベストヒット20 このCD20枚からこの20曲 - GAJUMARU
2019年 邦楽 私のベストヒット 33~21
33. mabuta「Period」
秩父初3ピースバンド mabutaの『THREE』からリードトラックの「Period」
まずはこのYoutubeの映像を観て。
mabuta「Period」Official Music Video
美しい鈍色の世界で少し儚くもエネルギーを抑え込んだようなうちに秘めた演奏が印象的でした。
一方でライブハウスで彼らを観るとイメージが全く違って、迸る音圧が気持ちいいバンドです。
溢れ出す熱量と、静かなロックと、2つの面が観られる良いバンドmabutaです。
32. カネヨリマサル「もしも」
TRUST RECORDS所属 大阪発3ピースバンド カネヨリマサルの全国流通盤『かけがえなくなりたい』からリードトラックの「もしも」
カネヨリマサルはライブハウス映えしないバンドにみえます。
所属レーベルのせいもあって、ライブ会場にはライブハウス大好きなキッズが集まるので「熱量」みたいなものを求める観客との温度差があるんですよね。
最近のライブシーンは「○○のライブに行った映え」みたいな空気感があって、いわゆる「陽キャ」の雰囲気が苦手だから音楽やライブハウスに行っていた人たちが足を運びづらくなっているように感じています。
今年3回カネヨリマサルを観たのですが、なんだか自信がなさそうに演奏している姿が印象に残っています。
極度にフィルインが少ないドラムも、絞り出すようで伸びていかないボーカルも、それでもその音楽に救われることも多くて。空が真っ暗になる前の群青色の空を眺めながら聴いて帰ると心臓より少し下のところらへんに染みてきます。
音楽の姿はそれぞれで。アツいステージでなくてもダイブが飛び交わなくても良いのです。カネヨリマサルに救われる人が増えると良いな。
31. ハルカミライ「世界を終わらせて」
『永遠の花』から2018年のシングル曲「世界を終わらせて」を。
八王子初4ピースバンド ハルカミライ。
もうその名を知らぬものはいないくらいの大きな存在になって、今年はライブハウスでは1回しか出会えなかったですけど、幕張メッセでワンマンとかとんでもないこと演るようで、そういえば2年前のこの記事で書いた通り大きく羽ばたいたなぁと親目線で聴いています。
めちゃくちゃなライブのイメージとは違って、ハルカミライの楽曲って丁寧で美しいんですよね。この「世界を終わらせて」も本当にきれいな曲。
私の中で「帰り道ソング」というジャンルに入れている夜19時ころに少し重くなった足にリズムを与えてくれるのにピッタリの楽曲。
奇をてらったことなんて何もなくて、等身大でストレートな曲だからこそまっすぐ届きます。名曲です。
ハルカミライ - 世界を終わらせて(Official Video)
30. the shes gone「ふたりのうた」
東京発3ピース ロックバンド the shes goneの2ndミニアルバム『MORE』から「ふたりのうた」
昨年デモ盤を買ったときはどこかで訊いたような曲調で、どこに向かうかわからない感じでしたが、本作で「これがthe shes goneというバンドなんだ」という決意表明を受け取った気持ちです。
音楽の聴かれ方が変わってきて、イントロはそこそこにいきなりキャッチーなサビがドーン!じゃないと曲を飛ばされてしまう。夏フェスで映えるようなみんなで騒げるパーティーロックが求められる。こうなってくると減ってくるのがバラードなんですよ。だからbacknumberやSaucydogが重宝されるわけで。
本作「ふたりのうた」はそこはピアノでいいだろという主メロがギターで美しく奏でられている珠玉のバラ-ド。the shes goneよこのまま美しくあれ。
the shes gone 2nd mini album 「MORE」ティーザー
29. ズーカラデル「漂流劇団[NY mix]」
北海道発吉田崇展率いる3ピースバンド ズーカラデル、自信のバンド名を冠したアルバムから「漂流劇団」を。
ズーカラデルの曲はいつだって小気味良いリズムが刻まれていて、気がつくと一緒に口ずさんでしまう生活の一部になるような曲で、この「漂流劇団」もアイロンをかけるときによく聴いています。
とにかくズーカラデルはファンの方々が良い。
ズーカラデルのライブに行くと、いつもニコニコ楽しそうにライブハウスで揺れていて、あぁ良いバンドに音楽が好きな良いお客さんがいて最高に心地良い空間です。
あとベースのこうたくんが母性本能くすぐる可愛さです。良い生き物。
ズーカラデル "漂流劇団" (Official Music Video)
28. Toyjoy「星に願いを」
茨城発4ピースバンド Toyjoyの『city』から1曲めの「星に願いを」
私はあんまり歌詞を気にしないで曲を聴くことが多いのですが、この曲に関しては本当に歌詞がもったいない。
サビ頭の「星に願いを」は2番ではなにか韻を踏んだ別の言葉にすればいいし、大サビからは英歌詞にでもしたらスケールがめちゃくちゃ広がります。流石に同じ歌詞が続いたら飽きる。
とか思うんですけど、めちゃくちゃ毎日聴いています「星に願いを」
目の前に情景が広がるかのような叙情的なサウンドの虜です。まだライブハウスで出会ったことがないので、来年は必ず目撃したいバンドです。
27. sup「anji」
結成3年目 日本のロックバンド supの『mecca』から「anji」
ギターは潜っていくようなサウンドなのにVo.伊織の声はちょっとした浮遊感みたいなものがあって、supの曲を聴いているときは浮世離れするというか、海底から空へ登って外界を眺めているような気分になるんです。
音楽もお酒もマリアージュ。何と一緒に合わせるか・どんな気分の時に聴くかで全く変わっていくもの。supはできるだけ一人で聴きたい。そんな曲です。
SUP / anji (Official Music Video)
26. nee「歩く花」
次世代ダンスポップバンドneeから「歩く花」。
私はneeをフレデリックの再来じゃないかと思っています。どう考えてもエレクトロで良いのにギターでそれをやってるんですね。
一気に世界観に引き込まれるイントロ。右耳には跳ねるようなギターが鳴り響いてきます。完全にライブ向きなバンドなわけですけど、CDで聴いていても自然と身体が揺れてしまいます。
今年はニガミ17才も多くの人に見つかったし、来年はneeでしょ。
25. FAITH「Yellow Road」
長野発5ピース、今年メジャーデビューしたFAITHのアルバムから表題曲「Yellow Road」
タワレコの試聴機でたまたま出会った曲で、なんだか00年代のアメリカのポップソングみたいだなと。あまり日本のバンドでこういう曲作るのを観たことがないので面白く感じて買って帰りました。
特にMVを観ることもなくしばらく経った後にライブハウスで観るとなるほど。メンバーの3人がアメリカにルーツがあるようです。
今年メジャーデビューもしました。しかもオーガスタですってよ。星のかけらを探しに行く日も来るでしょうか。
まだ10代の5人なんですが、ステージングがびっくり。
もう8年くらいやっているメジャーバンドとかアイドルみたいにステージを大きく使って走り回っていて目で見ても楽しい。こういうエンターテイメント性の高いバンドはウケるよなぁと妙に納得しました。特にギターのヤジマレイくんがおすすめです。
ボーカルのドリチュラーあかりさんはモデルさんをされていて検索すると楽天市場のアパレルとかで発見できます。ドリチュラーを探せ。
FAITH - Yellow Road (Official Music Video)
24. EASTOKLAB「Firewoks」
名古屋発4ピース EASTOKLABの1stアルバムから「Fireworks」
エレクトロニカとバンドが融合したサウンドが心地良いバンドです。
EASTOKLABの曲はボーカルが唄になっていなくて楽器として存在しているように感じるのが良いんですよ。Fireworksでのメロディはまさに打ち上げ花火みたいになっていて、脳内に直接飛び込んで来る感じで。
曲そのものが音だけでなく空間表現・映像と一体化した現代アーティスティックな設計がされているように感じます。
圧倒的に美しい音楽表現、ヘビーローテションしていました。
23. 緑黄色社会「にちようび」
今年はTBSドラマ主題歌に抜擢されるなど、もうすっかりJ-POPシーンに行ってしまった緑黄色社会です。『幸せep』の3曲目「にちようび」
私は長屋晴子はド級に根暗な人だと認識していて、昔にこんな記事も書きました。
今作「にちようび」なんですけど、一見よくある週末ソングで平日頑張って日曜日の休みを待っている的な唄なんですね。で、こういうのって普通日曜日が彼氏(彼女)のメタファーで、そういう人の存在が日々がんばる活力になるみたいな曲って頭に浮かぶと思うんですけど…
長屋晴子、まじで日曜日にお布団で寝ていたいだけの唄作っている
お布団 >>>> 彼氏
まったく起承転結なく、徹頭徹尾日曜日にお布団で寝ていたいことだけが綴られた曲です。
最後アウトロの途中でシャウトが入るんですけど、初聴の時「アゥッ!じゃねーよ」と声に出して突っ込んでしまいました。
お布団好きの方におすすめソングです。
【Amazon.co.jp限定】幸せ -EP-(通常盤)(オリジナルクリアファイル(Amazon ver.)付)
- アーティスト: 緑黄色社会
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2019/05/29
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
22. スカート「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」
澤部渡のソロプロジェクト スカートのメジャー2ndアルバム『トワイライト』から
NeggicoのKaedeに提供した楽曲のセルフカバー「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)」
決して明るい曲ではないんだけれども、不思議と生活の中に溶け込んでくる曲です。特に何を言うまでもなく名曲です。
渋谷のTUTAYAのCDレンタルでスカートのCDって何故か4階にあったんですよね。
狙ってやっているのかどうかわからないのですが、妙に納得するようなしないような。
スカート / あの娘が暮らす街(まであとどれくらい?)【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
21. 羊文学「ソーダ水」
きのこ帝国がいなくなっても私達には羊文学がいるから大丈夫です。
東京3ピースオルタナティヴバンド羊文学、私の帰り道プレイリストで今年パワープレイした『きらめき』からソーダ水。
羊文学は曲を出すごとに目の前にある景色が澄み渡っていくように感じています。本作「ソーダ水」もタイトル通り炭酸の泡みたいに音が上の方へ弾けて飛んでいく曲で、一緒に飛んでいけそうな気がしてきます。
今年この記事で振り返りをしていて、色んなジャンルの曲を聴いているつもりだったけど何だかんだで好きな曲って似てくるもんだなと認識しました。羊文学もスッと飛び込んできて生活の中のBGMになってくれるようなバンドです。
2019年 邦楽 私のベストヒット 20~11
やっと3分の1です。
20. kobore「ミディオーカー」
府中発4ピースバンドkoboreのミニアルバム『音楽の行方』から「ミディオーカー」
私、初めて行ったライブハウスが府中flightだったということもありkoboreずっと応援しています。
昨今の邦楽ロックシーンにおいて「ライブの熱量」というキーワードがあって、ナインスとかトラストとか、やっぱり熱量の大きなライブを演ってんなという印象が大きいです。もちろん熱量の大きなライブは大好物なんですけど、正直MCが暑苦しいとか今日はそんなテンションじゃないとか、空気感が合わないことあるわけで。
kobore、そういうのがちょうどいいんですよ。
音は爆音だけど、騒がしくないし、説教くさくないし。個人的にグッドモーニングアメリカの系譜だなぁと思っていて、生活に寄り添ってくれる曲を奏でているバンドです。この曲も大好き。
平凡な日々が好きです。
19. AIRFLIP「Dear Friends」
ついにメジャーデビューした大阪4ピース ポップパンクバンドAIRFLIP『Friends In My Jouney』から「Dear Friends」
このブログでかれこれ3年ずっと言っていますが、今最も楽しいライブをするバンドです。夏のサーキットイベントでFINLANDSと同じ時間にタイムテーブルがセットされていたので、FINLANDSのTシャツ着ているのにAIRFLIP観に行ったほど楽しいライブをするバンドです。
メジャーアルバム『NEO-N』ではごりごりボーカルにエフェクト入っていたり、Brand new dayのアレンジが「?」だったり消化不良でしたが、まぁそれは置いておいてインディーズ時代の最後のCDの表題曲、エアフリらしい青臭い1曲「Dear Friends」
印象的なイントロと、観客がどこで跳ねるのかしっかり設計された進行、ライブで拳上げるために作られた曲ですね。最高。
Vo.のsatoshiくんがはてなブログやってるんですけど、いつも私が最初にスター押してます。(だからなんだ)
AIRFLIP「Dear Friends」【Official Music Video】
18. TETORA「今日くらいは」
今年全国に解き放たれ、一気にステージを駆け上がったTETORAの『教室の一角より』から「今日くらいは」
この曲、デモ盤にも入っている曲なのですが歌詞が大幅に変わっているんです。
「iPhone」とか使えなさそうな語句を変えたのももちろんなのですが、アレンジ含めて一つの歌詞の変更で曲のイメージがまるっきり変わりました。
まぁ、まずは最後まで聴いて。
TETORA - 今日くらいは Offical Live Music Video-
いわゆる4畳半ソング。いつも音楽の話しかしないバンドマンとの唄。きっと主人公にとって大事な日で「今日くらいは」と想うことを綴った唄。
最後に「別れよっか…」とため息のようにつぶやかれて終わっていく歌だったのですが、これが『教室の一角より』バージョンでは「別れよう」になっているんです。
前者はまだわがままを言って振り向かせたいように聴こえる歌だったのに、後者は唐突に男を突き放します。
たった一言で印象が変わる面白い唄。ライブハウスだと印象の違うバンドなので、ライブハウスで是非。
17. 錯乱前戦「天国ラジオ」
東京発5ピースロックバンド錯乱前戦の会場限定『天国ラジオ/カレーライス』
1回観たら絶対好きになるよね、いつの時代にだってこういうロックンローラーがライブハウスに要るんだよなと実感するバンド。錯乱前戦。
Vo.の山本くんに目が行きがちなのですが、5人ともイカれたロックンローラーで好き。個人的にDrのサディスティック天野くんのプレイが好きです。
16. The Whoops「同じバスに乗れたなら」
浦和発3ピースバンド The Whoopsの会場限定盤『METRO』から「同じバスに乗れたなら」
Whoopsは森ちゃんのコーラスがとにかく良い。
宮田のちょっとグルーミーな歌唱の上ハモでまっすぐ心臓に届いてくる森ちゃん。
「同じバスに乗れたなら」ではユニゾンのところもいいし、くるりリスペクトな「ハローグッバイ」なところも良い。とにかく森ちゃんのコーラスが良い。
塩入冬湖・アサミサエ・ハツシカリカ・森ちゃんでコーラスグループでも作って欲しいなと願っています。初詣でそれ祈ろう。
15. SEE YOU SMILE 「Be Myself」
東京発ポップパンク5ピースバンド SEE YOU SMILEの『WILD』から「Be Myself」
私のポップパンクは「楽しい」「キャッチー」がメインになってくるんですが、SEE YOU SMILEはそれに加えて「かっこいい」なんですよ。
本作「Be Myself」は「キメ」の場所がふんだんに仕込まれていて、三浦大知くんのダンスみたいにバシッと止まるんですね。
電車の中で聴いていても「Be Myself!」のシンガロングのところは思わず口ずさんでしまいます(厄介)
低音の存在感が大きくてポータブルオーディオの視聴の時もいつも聴いていた 1曲。あなたも唄って踊りましょう。
See You Smile - Be Myself - MV【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
14. Hammer Head Shark「echo」
千葉発4ピース オルタナロックバンドHammer Head Shark『Baby youth』から「echo」
ああ、聴いた瞬間好きなやつだ。
リバーブが空間を埋め尽くしてリードギターがどんどん伸びていく。
少し気だるいけど儚く透き通ったGt.Vo.のヒユの声質。
「echo」特に間奏が美しい。いつまでも聴いていられる。聴いて。絶対。
Hammer Head Shark / echo ( Music Video )
13. 塩入冬湖「雪に咲く朝の花」
FINLANDS塩入冬湖ソロ名義3枚目のCD『惚けて』から「雪に咲く朝の花」。弾き語りライブでの定番曲です。
おばあさんのことを唄ったこの唄、体温より2℃だけ高いお湯にゆっくり浮かんでいるような、そんな気分になります。弾き語りライブのときも少し目を閉じて聴いています。
塩入冬湖という人は、毎日のなんでもないことや自分の感情をそのままにしないで確かめ言葉にする能力が魅力的で、
人間は他者からの鏡の中でしか自分を認知できない中、どうにか他人の鏡によく写ろうとしてしまうのだけれども、そんなことはしないでただ写った姿を認めれば良い、そんなことを感じさせてくれる歌うたいが居て。
FINLANDSはどんどん売れていくけれども、下北沢ERAのあの狭い屋根裏の空間はいつまでも続けばいいなと願っています。
12. dustbox「Don't Call Me An Average Guy」
結成20周年dustbox9枚目のアルバム『The Awakening』から「Don't Call Me An Average Guy」
年に数回「あれ、もうdustboxとOATとlocfrankとノーザンだけいれば良くね?」という病気に罹患することがあります。メロディックはシンプルが故に同じような曲になりがちなんだけど、彼らの曲を聴くたびにその個性がキラリと光っているのがわかります。
いや、もうとくに書くことないんですけどひたすらカッコいいのでそれで良いです。それが良いです。
11. 1st crack「FLASH」
旭川から突如現れたニューメロディックヒーロー 1st crackの『Crews of Starlight』から「FLASH」
いや、ほんとに衝撃のデビューですよ1st Crack。常々バンドマンにTwitterでリプするやつは何目的なんだと思っていましたが、初めてバンドマンにリプ送りました「どこでCD買えるんだ」と。
(iTunesストアでも音悪いけど買えますよ)
フォーリミやKUZIRAを思わせる軽快でキャッチーなメロディセンス。ボコーダーとか使っちゃう既存のメロディックの枠組みを超えていくぞという意思表示。最高ですね。
東京初ライブへも行ってみて、そのイベント自体は泥酔者が演者に絡んだり大声で喚いたりする内輪受けの酷いイベントだったんですが、1st crackはとてもジェントルな対応をしながら本当にこんな若いバンドか?というようななめらかなMCとステージングを披露していて感心しました。
ライブキッズはどんどん応援してやってください。流行らそうぜ1st crack。
2019年 邦楽 私のベストヒット 10~1
後半戦行きます!残り10曲です。
10. KUZIRA「Backward」
岐阜が生んだメロディックヒーローKUZIRAのep『Pay The Piper』から「Backward」
もうKUZIRAは日本のメロディックシーンを引っ張るバンドになるんだなと感じた2019年。ド直球な曲だけれどもフロアは最高にアガる。
GREEN DAYやハイスタのようにKUZIRAのに憧れてメロコアバンドはじめる人もたくさん出るだろうなぁとしみじみ思いました。
とくに説明不要、だってカッコいいだろ。
9. NO BRIGHT GIRL「Take Me Back」
松本発 5ピースポップパンクバンド NO BRIGHT GIRLの記念すべき初の全国流通盤『Happy』からリードトラックの「Take Me Back」
これぞ王道ポップパンク。爽やかで疾走感溢れる西海岸の香り。
シンプルな曲なんだけど、AメロBメロサビ間奏Cメロ大サビへの起承転結がとても気持ち良い。ドラムの存在感にコーラスの妙。もう全部好き。
ライブ行ったら絶対好きになって帰るバンドです。
NO BRIGHT GIRL "Take Me Back" (Official Music Video)
8. KOTORI「REVIVAL」
越谷発4ピースバンド small indies tableを代表するロックバンドKOTORIのフルアルバム『REVIVAL』から表題曲の「REVIVAL」を。
CD出す度に新たな名曲を生み出し続けているKOTORI。今年の1月に昨年発売したシングル曲「RED」のMVが公式で上がったんですけど、もし未視聴の方居たらまず全部聴いて。
KOTORI 「RED」 Official Music Video
シングル盤とはアレンジが変わっていて、最後に大展開していくRED。映像も圧倒的に美しく、個人的に2019年のベストMVでした。はー、こっちのアレンジの音源も欲しい。
このREDを彷彿とさせるのが「REVIVAL」
ああKOTORIは音楽で物語を奏でることができる、MVでなくてもでが情景を浮かべさせることできる稀有なバンドだと思っています。
ライブハウスだと熱量が勝り別の一面も観られて一石二鳥なKOTORI。これからのステージ・音源もますます楽しみです。
7. Newspeak「Wide Bright Eyes」
結成2年目東京発4ピースバンドNewspeakの1stフルアルバム『No Man's Empire』から「Wide Bright Eyes」
大きなフェスやサーキット・CMソングなどにいきなり使われる理由は一聴瞭然。まぁ聴いてみて。
Newspeak 【ニュースピーク】- Wide Bright Eyes (Official Music Video)
Newspeak - Wide Bright Eyes (Official Play-Through Video)
イギリスでバンドを組んでいたReiや元バニラズのRyoyaなど濃ゆいメンツが出す音もやっぱり濃ゆい。
UKロックとエモとが入り混じった感じの曲が多いように思うNewspeakですが、本作はフロアで踊れるような中毒性の高い1曲。
日本だとDATSとかがそうですが、ロックが進化していく過程を目撃しているような気がします。
6. Suspended4th 「GIANTSTAMP」
名古屋が生んだスーパーロックバンドSuspended4thが今年まさかのピザから全国デビューということで、記念すべき1stアルバムから表題曲の「GIANT STAMP」
Suspended4thの4人、キャラデザを久保帯人先生が担当しているんだと思うんですけど、空座町のギリアンとか倒しているレベルの死神たちを観ていたら、急に隊長格が4人出てきた感じです。
またライブがすごいんだ。普段は路上ライブしている彼らですけどライブハウスにやってくるとその空気が一変します。Aという曲を演奏していてサビから急にBの曲に移って、また途中でAに戻ってくるみたいなことを平気でやります。
口で説明するのが難しいバンドなので、大衆に見つかる前にライブハウスへ行くことをおすすめします。
Suspended 4th - GIANTSTAMP(OFFICIAL VIDEO)
5. FINLANDS「USE」
FINLANDS初のBIツアーDVDにダウンロード限定音源として登場した「USE」です。
この曲が披露されたの忘れもしない3月29日、下北沢BASEMENTBARで催されたFINLANDS記録博のライブ終了後BGMでした。
この日はコシミズカヨさんの脱退を発表した忘れられない日でした。
「USE」は「もうカヨがいなくても大丈夫」と冬湖さんが1人でもやっていけるさということを伝えるためにベースも自分で弾いた曲。
お別れしよう 寂しい中で
これから続く日々を思い
メンバーが変わったFINLANDSはこれまでのFINLANDSとはちょっと違うけど、そうやって毎日は進んでいくんだということを聴く度に思い出します。
FINLANDS"BI TOUR"~16th October, 2018 at Shibuya CLUB QUATTRO ~ [DVD]
- アーティスト: FINLANDS
- 出版社/メーカー: sambafree
- 発売日: 2019/09/04
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
4. 木村カエラ「Continue」
今年デビュー15周年を迎えた木村カエラ『いちご』から1曲目の「Continue」
6月に日比谷野外音楽堂で催された15周年記念ライブへ行った感想文が添付の過去記事なわけなんですけどね。
www.gajumaru.tokyoあの時にライブで伝わった「続けることは変わっていくことだ」というメッセージが、この曲「Continue」だったわけですよ。(独りですごい興奮した)
作詞作曲を今を時めくあいみょんが担当していて、その歌詞が話題になることが多かった曲ですが、曲自体もこれまでとは全く違うアプローチで作られていたように思います。
カエラちゃんの曲はタイアップで使われることが多いことも有り、元気ではつらつとしたポップな曲が多いし、アイゴンさんやしのっぴーなど男の人がギターで作曲してんなって感じの構成になっていることが多いように感じていました。
一方で「Continue」ではカエラちゃんが得意じゃない音域とか歌い方とかまで引っ張り上げていくというか、こんな木村カエラ聴いたことないと思わせる成分が大量に含まれていました。
変わっていくことの宣言の曲、15年間一緒に応援してきたファンのための曲でもあると思います。
木村カエラ - Continue Music Video(Short Ver.)
15周年ということでテレビの音楽番組にも出まくっていましたね。
本間昭光さんや清塚信也さんのピアノ1本での「Butterfly」が流れましたが、いやカエラバンドの「Butterfly」スゴイのよ。日本が誇るスーパードラマー、キャシーこと柏倉隆史さんのドラムがやばいの。え?Butterflyだよね?というドラムなのよ。1月に出るライブBDで聴けると思うので、こちらも是非。
3. レイラ「音楽のある風景」
横浜発4ピースロックバンド レイラの『goodbye.-EP』から「音楽のある風景」を。
レイラとの出会いは3月のrem time rem time主催イベントでした。
整理券番号1番でウキウキしながら八王子MachBoxの階段に並んでいる時(開場前に並んでたのは私達だけだぞ。えへん。)重そうに楽器を背負って駆け下りて来る4人を見て、随分若いバンドだなぁなんて思ってライブを見てみると…
そのルックスとは裏腹にふてぶてしくメランコリックに歌い上げるVo.有明、尻上がりに空間を埋めていくドラム、そして何よりGt.三浦太樹の存在感がすごい。
間違いなくこの4人は「エモ」というジャンルの音楽をやっています。
rem timeのライブで良く見かけるお互い顔を知っている音楽好きの観客たちが、ライブ終了後すぐに物販へCDを買いに行っていたのは笑いました。
ライブハウスで聴いても家でスピーカーの前に座って聴いても、外でイヤホンで聴いておそれぞれのシーンでぐっと来る楽曲。まさに「音楽のある風景」だなと思います。
全然曲とは関係ないけど、レイラのTwitterで「今度対バンするバンドのライブでよくやる曲です」ってYouTubeのMVを貼ったツイートしているのアレすごく良いと思います。他のバンドも真似してほしいです。
レイラ - 1st EP 「goodbye.」 trailer
2. 4brothers「Someday Somewhere」
名古屋発4ピース エモバンド 4brothers 4年ぶり6曲入リEP『Someday Somewhere』から表題曲の「Someday Somewhere」
くるり「東京」オマージュのイントロから始まるこの曲は、まるでスコットランドの森に迷い込んだような音楽空間に放り込まれます。
4人の奏でる音粒とコーラスがトリップさせてくれる音楽体験はわずか2分32秒の間、高く煙が上っていくようなアウトロで締めくくられます。
決して派手な曲ではないんだけれども、彼らの曲は今年大事な宝物になりました。
4BROTHERS "Someday Somewhere - EP" Trailer
1. Cakess「Night Album」
大阪発3ピース オルタナティヴバンド CakessのデモCD『DEMO』から「Night Album」を。
Vo.Gt犬居 匠のソロ盤にも収録されている「Night Album」は今年最も再生した曲でした。
私は犬居 匠は稀代のメロディーメーカーだと思います。
耳に馴染むキャッチーなサビへ向かうブリッジの美しさ。曲が1つの物語なっていく風景。
10代の頃みたいに恋だ愛だを音楽で埋めることはなくなったけれども、私たちの毎日は音楽が必要で、きっと何か足りない部分があって。Cakessの曲もそのパーツになってくれたのだなと思っています。
cakess 「Night Album」(OFFICIAL MUSIC VIDEO)
冒頭で書いたとおり、この長い記事の中にあなたに届く音楽がバンドが見つかったなら幸いです。
今年も来年もずっと素晴らしいバンドマンたちが音楽を続けてくれて、たくさんの人を音楽で救いますように。
今週のお題「2019年買ってよかったもの」