毎年恒例の今年よく聴いた曲の振り返りです。
2021年は物理のCDを91枚の購入はこの5年で最小でした。
高音質リッピングにこだわってCDを買っていたのですが、最近のバンドマンはフィジカルのリリースをせずに配信のみというケースが増えてきました。(そりゃそうだ)
変わってカセットテープを6つくらい買って、アナログ盤もいくつか購入しました。
CDに限らなくなってきたので5年目の今年からタイトルも変更しました。
<目次>
2021年音楽シーン振り返り
世の中のヒット曲はSNSやネット経由で広まっていて、SNSで耳障りが良いように踊りやすいようにと設計された賢い曲が多かったように感じます。和田アキ子の曲は和田アキ子が唄っているフレデリックそのもので笑いました。
シンプルにシンガーの歌唱力が一聴して「上手く聴こえる」曲も好まれていたようです。長らくヒットチャートが歌唱力と相関がなかったので、これも良いことかもしれませんね。
デジタル配信が主になった今日では、アルバム単位で曲が聴かれることになっているので散発的に「デジタルシングル」的な発表のされ方をするのですが、後にフィジカルにまとめられるのか否かが全くわからないこと、そもそもSNSでフォローしていないと発売に気が付けないことの2点はなにか解消方法ないかなと悩んでいます。
昨年とは異なり、ようやくライブハウスにも行けるようになりました。
相変わらずシンガロングはできないし収容人数は本来よりもだいぶ少ないけれど、それはそれでステージに没頭できる良い進化なんじゃないでしょうか。
久々に下北沢SHELTERで行った際は「こんなにライブハウスって面白かったんだ」と興奮したのを覚えています。
あまり世の中のヒットチャートに乗らない曲が多いですが、気に入った曲やバンドが見つかれば楽曲買うなりライブ行くなりよろしくお願いいたします。
<過去のベストヒット記事> もう5年も書いてる…
2020年 邦楽 私のベストヒット このCD41枚から この41曲 - GAJUMARU
2019年 邦楽 私のベストヒット このCD33枚からこの33曲 - GAJUMARU
2018年 邦楽 私のベストヒット このCD26枚からこの26曲 - GAJUMARU
2017年 邦楽 私のベストヒットこのCD20枚からこの20曲 - GAJUMARU
2021年 邦楽 私のベストヒット 30~21
30. Suspended4th「ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン」
名古屋が誇る路上スーパーロックバンド Suspended4thの配信限定曲「ブレイクアウト・ジャンキーブルースメン」
コロナ禍後も勢力的に活動を続けるSus4の新曲は相変わらずBLEACHの隊長が卍解しまくるみたいな演奏をライブハウスだけでなく音源でも届けてくれます。
これまでオーディオ製品の視聴の際は「ストラトキャスターシーサイド」を聴いていたのですが、今年からはこの曲に切り替えました。
全部聴きたいの欲望に応えてくれる1曲です。
29. NO BRIGHT GIRL「Emergency Call」
今年Vo.Gt以外のメンバーが総入れ替えになった長野の5ピースポップパンクバンド NO BRIGHT GIRLの活動再開EP『Scream Ice』から「Emergency Call」
これまでのNO BRIGHT GIRLは極めて優等生というか、ポップパンクの「こう聴きたい」を体現してくれる曲を作ってくれるイメージが強かったのですが、本作は次のステージに進もうとする若者たちの変化を感じます。
これまでと毛色の違う「Emergency Call」をヘビーローテーションしました。
28. softsurf「Beyond the Ray」
名古屋の5ピース シューゲイザーバンド softsurf 4年ぶり2nd EP『Returning Wave』から「Beyond the Ray」
壮大なステージが眼前に広がり、音の雨の中をツインボーカルが優しく手を引いてくれるような音楽体験。
シューゲイザーやドリームポップをバックグラウンドミュージックに仕事をしていることが多いのですが、「没入」の状態に導いてくれる名曲です。
27. SuperFriends「Look around」
結成15年目 3ピースパワーポップバンド SuperFriendsのミニアルバム『Songs as Letters』から「Look around」
コープ共済のCMでSuperFriendsが流れててビックリ。※同EP収録の「1994」
今年の好きなイントロランキング2位はこの曲。
やはり仕事に最適。本年度の業績のうちいくらかはSuperFriendsのおかげかも。
26. さとうもか「Sugar Science 先生」
岡山が産んだ天才さとうもかがついにメジャーデビュー『WOOLY』から「Sugar Science先生」
キャッチーな曲と裏腹に不気味なリフが鳴り続けます。
夜お酒を大量に飲んでいる時に頻繁に聴いた曲。
現在地を揺るがすのに最適。
25. バイリンジボーイ「そばに」
千葉発3ピース ロックバンド バイリンジボーイの2枚目のCD『かそくのきせつに』からバラード曲「そばに」
何故かこのCDはDVDケースに入っています。
2021年そうそうこういうのでいいんだよ大賞。
最高にJ-ROCKなバラード。
梅林寺連太郎の甘い声がとにかく良い。
24. Sisters In The Velvet「Capy」
下北沢発 3ピース 若きオルタナティヴロックバンド Sisters In The Velvetの7インチアナログ盤 から「Capy」
90年代のオルタナティヴロックの香りを漂うふてぶてしいロックはバカみたいにかっこいい。
何者かになれるような気がして職場へ向かう電車でいつも聴いていた曲。
23. リュックと添い寝ごはん「東京少女」
メジャーデビュー後も勢力的にファンを増やすリュックと添い寝ごはんのライブ会場限定シングルから「東京少女」
今の時代に彼らが受け入れらてているのは僥倖。
相変わらず松本ユウには謎の若大将感がある。
22. 1st Crack「Reminder」
北海道が産んだハイトーンメロディックヒーロー1st Crackは今年もアルバム「Elysian Landscape」を発表。
高校生大学生くらいが熱にうなされてメロディックのライブで飛んだりはねたりして、社会人になってめっきりライブハウスに行かなくなって、懐メロにしてしまうみたいな世の中は本当にクソみたいです。
1st Crackを聴く度に北の大地で真面目にメロディックパンクを続けてくれ!って願っています。
21. KALMA「夏の奇跡」
北海道発 3ピース ロックバンド KALMAのフルアルバム『ミレニアム・ヒーロー』から「夏の奇跡」
ああ、ライブハウスでシンガロングしたいな。
複雑な音楽をカッコつけてわかったふりして聴いているよりも、DNAに染み込んだ曲を聴きたいときはたくさんある。
バンドのいい部分とメジャーならではのしっかりした編曲。良い。
2021年 邦楽 私のベストヒット 20~11
20. Minatomachi「スーパームーン」
東京発 6ピース ポストロックバンド みなとまちの8年ぶりのリリースは100本限定のカセットテープ。その中から「スーパームーン」
97年組を聴いて育った私にとって非常にプリミティブ。
この曲も仕事中に重宝した1曲。
19. Lucie,Too「Get Back」
宇都宮発3ピース オルタナティヴロックバンド Lucie,Too メンバーチェンジを経たフルアルバム『Fool』から「Get Back」
1分26秒で駆け抜けていくロックンロール。
目まぐるしく変化する毎日へ抗うかのような叫びに拳が上がる1曲です。
脱退したドラマーのNAHO SHIBAHARAはソロでdemo音源リリースしているけど、こちらもドリーミーでおすすめ。
18.音速ばばあ「Youth」
茨城県が魅力がないって?そんなわけない、茨城発 4ピース オルタナティヴロックバンド 音速ばばあがいるじゃないか。
印象的なリフと攻撃的なベース、めちゃくちゃかっこいい。
今一番ライブハウスで目撃したいバンド。
うっかり異なる配信サイトから別々に2回買ってしまった。
17. 時速36km「スーパースター」
江古田が産んだスーパーロックバンド 時速のフルアルバム『輝きの中に立っている』から「スーパースター」
だいたいのバンドはライブハウスの方が輝いていて、もちろん時速も圧倒的にライブハウスの方がかっこいいけど、音源で熱量が伝わるのがスゴい。
この曲が家の中で流れる度に拳上げてます。
16. STARVINGMAN「Propaganda」
怒れるパンクバンドことSTARVINGMANの『分厚い壁に小石を投げ続けて ep』から「Propaganda」
SNSはどんどん呪詛の言葉を遠くから投げつける場所になってしまい、怒りが満ち溢れてしまっているけれど、真っ直ぐ音楽で怒りをぶつけてくれるSTARVINGMAN。
これでもかとキャッチーなメロディで歌い上げる「Propaganda」
ロックとはこうあれと頷く1曲でした。
15. KOTORI「sora」
small indies tableの星 KOTORIの3rdフルアルバム『We Are The Future』から「sora」
アメフトですね。
14. rem time rem time 「再生」
5ピース エモバンド rem time rem timeが3ピースになってから2年。やっと購入できる音源『再生e.p.』で復活。会場100枚限定の2曲入りEPから「再生」
いつの間にかこのバンドのことは家族のような目線で観てしまうようになりました。あのころの曲とは全く違うけれども「あやうさ」を残した曲。
このバンドが続いていくことを見守りたい。そんな思いが溢れる1曲です。
13. EMIRI「夜光」
兵庫発 5ピース シューゲイザー・ポストロックバンド EMIRIの2nd EP『餞』から「夜光」
EMIRIらしい美しいサウンド。
よくこの楽曲に日本語歌詞が乗っているなと感心しかありません。
たぶんEMIRIは野外ステージが似合う。
壮大なイメージを天井のない世界で浴びたい。
12. Mayson's Party「Super Fly High」
元SKALHEADSのAYATOMOらが結成したパーティーロックバンド Mayson's PartyがHEY-SMITHの猪狩秀平をプロデューサーに迎えた1stミニアルバム『Mayson's Party』から「Super Fly High」
サビに入る前の「Super Fly」の後に「High!」って合いの手を入れるライブでのお約束があるのですが、これがもう本当に楽しいのです。もちろん今はライブハウスでは声を出せないのですが家でやっても楽しい。メイソンズは本当に楽しい。
11. さよならポエジー「pupa」
神戸発 ロックバンド さよならポエジー 3枚目のミニアルバム『THREE』から「pupa」
ナインスアポロのバンドはライブハウスでの熱量が共通の魅力だと思うのですが、さよならポエジーに関してはライブハウスで目撃するよりもCDを聴くほうが合っている気がします。
本作『THREE』も大傑作。たんたんと生活に染み込んでいくようなリフとオサキアユの声質は鈍色の空を思わせる魅力があります。
2021年 邦楽 私のベストヒット 10~1
10. KiWi「You」
東京発 4ピース インディロックバンド KiWiのシングルより「You」
ドリーミーなこの曲で気になるのは時間軸。
主旋律と別にコーラスとギターリフが妙に違和感のあるタイミングで鳴っていて、心地よい音空間を作っているのですが、サビ前に一気に収束していくんですね。
これが非常に気持ち良い。
今年再生した回数が一番多い楽曲でした。
9. Subway Daydream「Canna」
大阪発 4ピース ギターポップバンド Subway Daydreanの全国流通盤『BORN』より「Canna」
ギター二人は双子さんです。
アルバム全体はオルタナだったりシューゲイザーだったりいろんなフレーバーが散りばめられているのですが、この「Canna」のアレンジが大きなアクセントになるスパイスになっています。『Twilight』から若い才能が成長していく様を目の当たりにする楽曲です。
8. LIGHTERS「Leave Me Alone」
東京発 3ピース インディロックバンド LIGHTERS初のフルアルバム『swim in the milk』より「Leave Me Alone」
思わずアナログ盤も買ってしまいました。
先日LIGHTERS初のワンマンに行ってきたのですが、お客さんが良い。
みんなナガサワルミと同じようにニコニコと笑って身体を揺らしていて。
人気番組で作詞家になった私達のスーパースターが「暮らしの中のBGMになる」って言っていましたが、まさにそれ。
LIGHTERSの曲も生活の一部になりました。
特に午前中。
7. 幽体コミュニケーションズ「ショートショート」
京都発3ピースバンド 幽体コミュニケーションズの手作りCDから「ショートショート」
初めて聴いたときの衝撃は今年1番だったかもしれない曲。
まるでコンテンポラリーダンスを聴いているかのような新体験。
ドラムのいないこのバンドのベースは心臓音のように鼓膜を打って、右耳からアーチをかけるギターと頭頂部から螺旋を描くツインボーカル。
音楽はやり尽くされることがないんだなと改めて思わされました。
6. FINLANDS「Stranger」
おなじみ塩入冬湖 率いるオルタナティヴロックバンドFINLANDSのフルアルバム『FLASH』から「Stranger」
私はずっと97年組の幻影を観ながら音楽を聴いているところがあるのですが、くるりやスーパーカーの姿ばかり気にしていたんです。
どっこいStrangerは完全に敬愛する中村一義が居るんです。
特に”阿呆みたいに 繰り返せ 愛” のフレーズはどこからどう聴いても中村一義。
大好きなバンドが出している音が一番好きな中村一義の雰囲気をまとっているのがたまらないです。
5. ORANGE POOLSIDE「国道246号線」
神奈川発 3ピース オルタナティヴロックバンド ORANGE POOLSIDEの『ubu』から「国道246号線」
もうDNAが好きだと言っています。
根底にあるEMOへの情熱を日本語歌詞に落とし込む難しさをやって抜けようとする若き才能。
まだライブハウスで目撃できていないので、2022年真っ先にライブハウスで会いたいバンド。
4. Sundae May Club「春」
長崎発 3ピース ポップバンド Sundae May Clubの1st Single『春/POOL』から「春」
圧倒的なキャッチー。
疾走感のあるメロディーは優しい春ではなくて駆け抜けていく春。
浦小雪のキュートな声は橋本絵莉子を思い出すなと思っていたら、12月に出た配信シングルが「シャングリラ」
チャットモンチーを超えていってほしいバンドです。
3. アロワナレコード「あいより出でて」
東京発 5ピースバンド アロワナレコードの1st EP『大都会 - EP』から「あいより出でて」
これが1枚目のEPかと驚く圧倒的な完成度を持つ美しいミディアムバラードが詰まった宝物。
普段あまり歌詞を気にして曲を聴いていないのですが、この曲は嫌でも歌詞が溢れ流れ込んできます。
曲の世界は眼前にイメージとして浮かび上がり、”透明な僕に色がつく” のフレーズのもつ圧倒的な映像力。
生涯に渡って残る大名曲です。
2. 羊文学「白河夜船」
説明不要の3ピースバンド 羊文学のミニアルバム『you love』から「白河夜船」
よしもとばなな作の同名タイトルをイメージした楽曲。
弾き語りと環境音を組み合わせたこの曲は深く深く没入していく特性があります。スピーカーから流れてくる1音1音が日常から世界を切り離していくような感覚。
サイケデリックな中毒性サウンドはしばしばありますが、全く異なるアプローチで楽曲の中毒を起こす危険な曲。
羊文学はどこまで行くのか楽しみで仕方がありません。
1. See You Smile「Golden Life」
東京発 5ピース ポップパンクバンド See You Smileのライブ会場限定シングルから「Golden Life」
天才だ。
聴いた瞬間にそう思いました。
目まぐるしく変化するテンポ、曲調。
どこを切り取っても「楽しい」
ポップパンクはようやく開いたライブハウスの中でも観客が一部になりきれない大きなハンディをせおっているというのに、鬱屈とした世況の中で、こんなに突き抜けた楽曲がどうして生まれたのでしょうか。
2021年という特異な年にこの曲が生活の中に流れてくれたことに意味がある気がしています。
少しずつ少しずつライブハウスに観客が戻ってきて
さらに色んな音楽の聴き方が増えてきて
若い才能が新しい音楽体験を広げてくれていて
ああ、音楽はなんて楽しいのでしょうか
願わくば来年もその先も素晴らしい音楽を浴び続けられますように
今週のお題「買ってよかった2021」