10月7日
義母が元気なうちに久しぶりの旅行へ行った。
温泉が良いと箱根と湯河原へ。
東京を移動するときは、新幹線は大宮で降りるべしという謎理論を信じて大宮で義母を迎える。
湘南新宿ラインと上野東京ラインを間違えて結局東京駅で降りる。
そのまま東海道線に乗って小田原まで行けばいいのに、チケットを取ってしまったので新宿からロマンスカーへ。
展望席もなく、色も赤じゃなくてロマンスカーらしくないロマンスカー。
箱根湯本からはバスに乗って仙石原の宿へ向かう。
箱根旅行は5度目くらいだけれどもはじめてバスを使った。
一泊目の宿は「マウントビュー箱根」
FINLANDS 塩入冬湖さんのご実家。
FINLANDSファンクラブ会員番号4番として、聖地巡礼の旅でもある。
よく参考にしている温泉ブログでも紹介されていて、ファンとして鼻が高い。
箱根仙石原温泉 マウントビュー箱根 宿泊記 相原精肉店の絶品ローストビーフ付きプランで一人泊 - 温泉ブログ 山と温泉のきろく
従業員は海外の方が多く、話を聞いてみると宿泊客も半分以上が海外からのお客さまだそうだ。
エレベーターで乗り合わせた方はイタリアから来たのだとか。
事情通ばかりだ。
雨の音を聴きながら連れてきたイエティと遊ぶ。
料理は海外客を意識してかあまり和風になりすぎないメニューが並ぶ。
どれも美味しい。カリフラワーのムースがとても美味しい。
温泉は白濁硫黄泉。
ちょうど気温が下がった日、露天風呂の外気はツンと冷たい。
上腕付近から漫画みたいに湯気が立ち上っていた。
貸し切り露天風呂「めだか」へ。
義母曰く「めだかになったみたいな浴槽やったね」
従業員の方と少し雑談。
言語で苦労しているらしい。
箱根の地ビールを購入。
すりおろしりんごのような風味。
10月8日
ホテルや旅館で良いベッド、良いマットレスには出会うものの、
良い掛け布団に出会うことが殆どない。
浴衣が乱れ、寒くて起きる。
朝食は干物と蟹の味噌汁。
小さめのお椀で2膳食べる。
薄曇り。
午前中はポーラ美術館へ。
雨が降る前に散策路を。
トリカブトが咲いていて、どうやって使おうかと討議。
煎じてお茶か。
歩き方も遺伝するようで、親子でシンクロしていた。
企画展は日本画の変遷。
横山大観の「朦朧体」に心奪われる。
永沢碧衣さんの作品が気に入ったのだけれどもミュージアムショップに何も置いていなかったので、通販で画集を注文。
結局直接買ったほうが作家にダイレクトに課金できる。
お昼は美術館内で丼。
再現できなさそうな味だった。
連休中の箱根はたいへんな渋滞をしていて、1時間半立ったままのバス旅。
運転手さんの軽妙かつ気配りのあるトークで乗客はみな笑顔。
旅の充実度が上がる。
山を下り湯河原へ。
二日目のお宿は有形文化財に登録されている「上野屋」。
クラシックな館内は迷路のよう。
急な階段をよじ登った先に露天の足湯。
あいにくの天気だけれども、湯河原は雨が似合う。
夕飯は部屋出し。
地元漁師の妻という部屋係の方は、良く云うと豪快な動きで、老舗旅館の風情に真っ向からあらがっているかのようだった。
鮑の蒸し物が大変美味しく、写真を撮る前に胃袋に入った。
温泉は無色透明のアルカリ泉。
まろやかな肌触り、熱い。
義母は大河ドラマを観ていた。
旅行中は日常から離れるものだけれども、日常の義母が少し観られたような気がした。
10月9日
雨の音で目が冷めれば良かったのだけれども、隣部屋の声で起きる。
朝風呂で知らない人と謎の我慢比べを開催した。
朝食はクラシックな和食を部屋出しで。
蟹の味噌汁は毎日飲んでも旨い。
小田原へ移動。
小田原城へ。
小田原城は木が良い。
大きなクロマツやビャクシンは見惚れてしまう。
小田原ちょうちん祭りが催されていて、小学生が描いた提灯がたくさん並んでいた。
センスのあるイラストやなんでこれ書いたんだろという文字が紛れ込んでいて飽きない。
以前から行きたかった小田原おでんの支店へ。
1時間ほど並ぶ。
かまぼこ通りの練り物店各店から集めた好きなおでん種を5つ選べるランチ。
出汁が旨い。
牛すじ丼はおでん出汁を加えたお茶漬けに。また食べに来よう。
帰りのロマンスカーで食べようと買った磯辺焼きとみたらし団子を膝に、前の二人は眠りこけていた。
大宮駅で慌ただしく背中を見送った。
帰宅後、団子をレンジで温めて、これは炭水化物の摂りすぎだねと言った。
イエティを取り出したら、硫黄泉の匂いが染み付いていた。