GAJUMARU

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安全なものを勧めること

先日、Amazon経由でLOXJIE P20という真空管ヘッドホンアンプを購入したところ、付属のACアダプタにPSEマークがついていなかったため使用をやめました。(いわゆる電安法違反なので)

周りからは「別に誰かに迷惑をかけるわけじゃないし良くない?」「自己責任で使えば良くない?」と言われましたが、私は使用すべきではないと考えます。

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FCCマークはついているけどCEマークもない

 もしも我が家でトラッキング火災が起こって、消防署が火災の原因を調査したらこのACアダプタであった場合、近隣の住民に対して私はどういった「責任」をとったら良いでしょうか。

 

ちょうど同じくらいのタイミングで当ブログのお問い合わせに衣類スチーマーのレビュー依頼がありました。

ティファールやPanasonicやツインバードではなく、私から見ればノンブランドの製品でしたので、そういえばスチーマーって大手以外はどんなものだろうかとAmazonでカテゴリを調べると、驚くほどたくさんの知らないスチーマー製品が並んでいました。

それもどの商品も50件以上の高評価レビューを伴って。

 

衣類スチーマーは高温を発する家電です。

スチーマーに限らず国内の家電メーカーはリコールがあった際に多くの広告宣伝費を投じて回収しますが、もし事故があった場合にこのレビュー依頼をしてきた会社はどんな責任をとるのでしょうか。

こういったレビュー依頼のような形で「無料」で製品を得られるからと、これらの製品を知らない誰かへ勧めるのはどうなのだろうかと。

 

 

先日、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)からリモコン付きストーブの誤動作に関するリリースが出ていましたが、私からするとストーブにリモコンがついていないなんていうのは当たり前なのによくそんな製品売っているなと…

流石にAmazonでもリモコンで操作できるストーブは販売していないようですが、こういった業界のルールや自主規制、法律にはそれらが作られた背景があります。

痛ましい事故から生まれたものも多くあります。(飲酒運転の厳罰化なんて最たるものですね)

 

 以前、電気ケトルのレビューではシェア1位のティファールではなくタイガーや象印を選ぶべきだと書きました。

www.gajumaru.tokyo電気ケトルによる火傷事故は非常に多く、消費者庁が注意喚起するレベルなわけで、

その発生源になっているティファールの電気ケトルを勧めることはできないわけです。(もちろんティファールだけで事故が起こっているわけではないけど)

 

私も日本では手に入らない製品を購入するために越境ECを使ったり、クラウドファウンディングで新興メーカーの商品に出資することもあります。

恥ずかしながら「コスパがいい」「日本のよりずっと良い」という耳障りの良いレビューをみて買ってしまうこともあります。

 

今回の経験を経て、自身が購入を決断する時、またこのブログで紹介するときに「これは本当に安全か?」と自問するようにしようと決めました。

 

もちろん日本製が正しく海外製が良くないというわけではありませんが、調理家電であれば象印マホービンやタイガー魔法瓶、暖房や扇風機なら山善などなどメーカーがこれまでに培ってきた「安全に対する資産」を大事にしていきたいと思います。

www.gajumaru.tokyoこちらに記事にも書きましたが、冷蔵庫にレシピが表示できる液晶パネルなんて必要でしょうか。

この国の冷蔵庫に必要なのは大きな地震が起きたときに転倒しないみたいな作りだと思うし、冷蔵庫の意味は食材を長期間保存することです 見た目ではないです。

 

コスパは良くなくても、先進のIoTが搭載されていなくても、使う人の「安全」が考えられている家電をおすすめできるよう努めていこうと心に決めた夜でした。

 

この記事を読んでくれたあなたも、熱を発するものやモーターが入っているもの、口に入れるものに関係するものは特に慎重に商品を選んでくださいね。