象印マホービン101年目に飛び出したコンセプト家電シリーズ「STAN.」
NuAnsでおなじみのデザインユニット「TENT」がプロダクトデザインに参画した,、象印の新作は2月1日の発売以降好調のようです。
私も早速STAN.シリーズのホットプレートEA-FA10 を購入しました。
多くの情報サイトやSNSで、STAN.シリーズは「おしゃれ!」「デザイン家電!」といった称賛で溢れていますが、私はちょっと違った印象を持ちました。
STAN.シリーズが「映える家電」だと思って購入を検討している方へ、実はちょっと違うぞという話です。
象印マホービンのSTAN.シリーズは実はデザイン家電ではない
我が家の炊飯器は象印の「ZUTTO」 NP-DA10。
10年ほど大事に使っています。
購入当時は今みたいな家電ウォッチャーになるとは思ってもいなかったので、デザインだけで選んでいました。
「デザイン家電」と呼ばれるamadanaやプラマイゼロみたいな家電をたくさん買って、失敗もたくさんしましたが、象印のZUTTOは文字通りずっと使える良い家電だったなぁと思います。
とはいえ10年選手、いい加減買い替え適齢期なので、どの炊飯器を買おうかこの2年ほど探していたのですが、昨年の象印100周年記念式典にて面白い炊飯器発表されたよと友人に教えてもらいました。
ZUTTOの次も象印、良いじゃないですか。
STAN.が発表され、店頭に並んだ2月1日に早速店頭に足を運びました。
一緒に行った同居人は「あれ?デザイン家電の炊飯器ってこっちじゃないの?」とパナソニックのSR-VSX108を指さして言っていました。
そうなんですよ、STAN.シリーズパッと見でちょっとデザイン家電っぽくない気がするんです。
店頭にきっちりSTAN.売り場が作ってあって、存在感もスゴいあるんですけど
「どうだ!めっちゃオシャレでしょ?」という印象が薄いんです。
なんでかな?とよく観てみると… なるほどこういうことかと。
私の使っているZUTTOの操作パネルがこちらです 。
対して、STAN.の炊飯器 NW-SA10がこちらです。(※画像は公式サイトからお借りしました)
そう、ZUTTOのボタンはピクトグラムアイコンだけでスタイリッシュに仕上げられているのに対して、STAN.はボタンも大きいし日本語ではっきりとメニューが記載してあります。
セブンイレブンのコーヒーマシンで「デザインの敗北」みたいな言われ方をしていましたけど、そもそもデザインは機能美を兼ねるものなので、そのボタンが何を表しているのかが明確である必要がありますから、そういった点でSTAN.は実にフレンドリーなデザインがされていることがわかります。
他にもNW-SA10は、業界初の内釜で水位がはっきり見えやすい目盛りが付いていたり使い心地の良いデザインの方向に行っているな、なるほどSTAN.シリーズは「見た目重視ではない」と感じました。
STAN.は見た目のデザインではなくライフスタイルがデザインがされている。
デザイン家電ではなくライフスタイル家電だと思います。(なんかTSUTAYAみたいですね)
そういった意味でも安売りしかしないヤマダ電機テックランドやAmazonとかには導入されないんだとかなんとか(定かではありません)
STAN.シリーズは既存のカテゴリに入らない
さてSTAN.シリーズの4つの家電の仕様をよく見ると、既存の商品と競合しないカテゴリにいることがわかります。
電動ポットのCP-CA12は、電気ケトルと電気ポットの間の子みたいな存在で、ダイニングテーブルにおいておくのが良さそうです。
料理のためにすばやく沸かして都度都度使う電気ケトルの用途が主な私にとって、ポットに寄っている使い方が自身のライフスタイルにはあわなさそうだなと感じました。
炊飯器のNW-SA10は、圧力IHでなくIHです。
圧力がある方が美味しく炊けるわけではありませんが、内釜の形状・素材にしても炊き分けのコースにしても、象印の先行する技術が盛り込まれているわけでもありません。
同じ価格帯であればNW-JB10を買ったほうがお米は美味しく炊けると思います。
この2つのSTAN.シリーズは私のライフスタイルに必要かどうかを考えると、あまりピンときませんでした。
さて、次はホットプレートのEA-FA10です。
店頭で触ったときにすぐに「これは買って使いたい」とすぐに思いました。
おそるおそる「炊飯器買わないでホットプレート欲しいんだけど…」と同居人に話すと、「良いね!そうしようよ!」と返答が。
感性は同じだったようです。
象印にはEA-GV35(EA-GW35)という高性能なホットプレートが存在します。
焼き肉プレートやたこ焼きプレートが付属し、縦に収納ができ、またホットプレートにとって一番大事な煙や油ハネを抑制する「水受け皿」がついています。
友人が所有しており「最近のホットプレートはすごいな」と感動した機種です。
これらEA-GV35に(EA-GW35)備わっている優秀な機能やデザインがない」STAN.のホットプレートを私達はなぜわざわざ選んだのでしょうか。
私はこのSTAN.ホットプレート EA-FA10 をホットプレートとしてではなく、食卓のお皿として使いたいなと思いました。
常日頃せっかく作った料理が食卓で冷めてしまうのがもったいないと感じていました。
温かい料理が冷めずに食べられることができればと願っていましたが、どうやらこのSTAN.ならそれが叶いそうです。
ホットプレートとしての機能を求めるのであればEA-GV35を買えばいいのですが、特別な日ではなく毎日使う食器のように食卓に佇むものとしてはEA-FA10が良いと感じました。
そういえばSTAN.シリーズはポットのCP-CA12にしてもコーヒーメーカーのEC-XA30にしても、キッチンラックに収納する家電というよりも、ダイニングにそのまま置いて使う、そんなライフスタイルにあうような気がします。
もちろんおしゃれな家電として買っても良いと思いますが、自身のライフスタイルに合うかどうかをちょっと振り返るのもおすすめです。
以下、製品の使用レビューです。
STAN.のホットプレートちょっと良いなと思った方はこのまま続きをどうぞ!
レビュー STAN.ホットプレート EA-FA10
可愛いダンボールに包まれてやってきたSTAN.ホットプレート EA-FA10
茶ダンボールでなければ何かの収納箱に保存したかったところです。
先ずは本体から
4cmの深鍋になっているところがポイントで、ホットプレートでもあり、グリル鍋的な使い方ができるわけです。
大ヒットしたイデアインターナショナルのBRUNOシリーズのような感じですね。
たこ焼きプレートや火鍋プレートは付属しません。(今後オプションで出してくれないかな)
STAN.のポイントとしては、この加熱用のプレートと本体の間にある「隙間」
これによって加熱中に本体の外側を触ってしまっても熱くない安全設計になっています。
蓋はいたってシンプルです。
取っ手は加熱時にも熱くなりませんでしたので、わざわざミトンなどはせずとも素手で扱えました。
蓋を開けたときに保管する場所に困ったので、収納時兼料理時の蓋スタンドみたいなものがあればよかったなと感じました。
鍋の下の伝熱部はこんな感じ。
食材内部温度を検知したエリア駆動とかできる未来のホットプレートが出てきたら面白そうです。
続いて外周部です。
イメージイラストではコルクっぽく見えている黄土色の部分は樹脂です。(よっぽど真横から見ない限りこの部分の色は目視できません)
思いっきり水洗いできます、とても便利です。
続いてコントローラー部です。
あえてシンプルにしたデザインとのこと。
スマホ連携して温度状況の見える化とか、食材を投入後何分立ったかとか測定できたら面白いんですけど、特に何もできません。
カチッとロックが掛かる仕様なのですが、なぜホットプレートは電源コードが固定されるのかよくわかりません… 電気ポットは逆にすぐ抜けるようになっているのに…
私、5歳のときにグラグラと沸き立っているグリル鍋の電源コードに足を引っ掛けて頭から被ってしまい、全治2ヶ月の大やけどを負った経験があり、それがきっかけで卓上鍋恐怖症になってしまって、STAN.購入まで自宅で卓上鍋ができなかったのです。
ホットプレートの電源周りというのも次のデザインの際には引っかかり事故を防ぐイノベーションがあればなと思います。
さて続いて他の付属品です。
コントローラーを保管しておく箱があり、これを組み立てるとレシピブックスタンドになります。
繰り返しですが、レシピブックスタンドより、上蓋スタンドが欲しかった…
樹脂製のヘラです。
スプーンっぽくも使える上に「足」が付いているのでテーブルに置くときに便利です。
付属のレシピブックです(かわいい)
このレシピブックが秀逸でした。
20種類のレシピが掲載されているのですが、どれも「作ってみたいな!」と思わせる写真と内容でした。
以前に日立のオーブンレンジのレビューの際に指摘していますが、調理家電において「作ってみたい」というレシピを付属させることが、長く愛用してもらうための最も重要な要素です。
オーブンレンジでいうと、ただの温め専用機になるか、便利な調理家電として使われるかは、レシピブックの充実が左右します。
ヘルシオが愛されて、ヘルシーシェフがそうでもないというのはこういうところに理由があると思います。
実際にレシピに載っていた料理をアレンジして作ってみました
いちごクリームどら焼きを焼いてみました。
レシピ集に載っていたのは抹茶と栗のどら焼きでしたが、季節のものを。
どら焼き大好き!
自分でどら焼き焼けると思うとテンション上がります。
どら焼き以外でも深皿のおかげで背の高いホットケーキも焼けます。
パエリアも焼いてみました。
二人分の分量で作りましたが、非常に美味しく簡単に作れました。
簡単にいろんな食材を摂取できるメニューとして、お鍋のように定番にできそうです。
水受け皿がないので、煙はもうもうと上がります。
お肉関係は臭い&煙が大量に出そうであんまり焼きたくないなぁ…
そういえば今一番先進的なホットプレート、パナソニックのIHデイリーホットプレートKZ-CX1も煙抑制の機能が不足しているんですよね…
お鍋もやってみました。
二人分には必要十分です 。やっぱりずっと温かいまま食べられるというのはすごく良いですね。
ぐつぐつ煮えている時に本体側面を触っても全く熱くなかったです。
温度設定は140℃の下が保温になりますが、90℃とか70℃みたいな低温調理ができればもっと良いなぁと感じました。
象印 STAN. EA-FA10はホットプレートという枠組みではなくて、温かいまま食卓で食べられる保温プレートとして、特別な日だけでなく毎日使えば生活が豊かになるんじゃないかなと思います。
結構重いので毎回しまわずにそのまま食卓に出しっぱなしでも構わないようなシンプルなデザインです。
同じシリーズの炊飯器や電気ポットも既存商品の置き換えではなくて、暮らしの中に溶け込んで今とは違う生活ができる家電としてそばに「STANDBY」してくれるはず。
見た目の良い「デザイン家電」としてみるのではなく、あなたの生活に寄り添う「ライフスタイル家電」として選んで欲しいなと思います。
STAN.シリーズの購入は家電量販やAmazonではなくTENTの直販へどうぞ
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