昨年の11月に冷蔵庫を新調しました。
実に10年ぶりの冷蔵庫購入2年かけてリサーチし、昨年最も満足度の高い買い物でした。
買ったのは東芝のVEGITA GR-M470GWです 我が家もサイヤ人です。
冷蔵庫の買い替えサイクルは2018年度は消費者動向調査によると約12.2年だそうです。
これは10年前より2年も伸びています。
冷蔵庫くらい成熟した家電になると、これまでの不満点が解消されてきて、さらに壊れにくく頑丈になっているのが原因かなと考えています。
一方で買い替えサイクルが10年から12年に伸びたことで、メーカー・販売店は売上が年間16.7%も減少したわけですから、製品価格が上がるのも致し方ないように思います。
「日本の家電が値段が高い」という方がいますが、壊れにくいから高いんですよ。
↓こちらの記事でも主語が大きい人に対して言及しています。
さて、今回は「冷蔵庫の選び方」に関してです。
すでに先人が容量の目安や、省エネ達成基準に関してなど様々な観点から冷蔵庫の選び方を紹介していますので、私は自分が今回選んだ東芝の冷蔵庫をどうして選んだのかという視点で書いていきたいと思います。
「冷蔵庫 選び方」とかで上位にヒットするキュレーションサイトの記事、全く役にたたないので、この記事が参考になったら是非シェアしてください。
なお主に2人以上の世帯向けの冷蔵庫についてです。
今まで使っていたのは東芝のOEMで作られた無印良品の冷蔵庫。買い替えで容量はこれまでより100リットルも大きくなりました。
冷蔵庫の買い替え時
先ず、冷蔵庫はいつ買ったら良いか。
一般的に冷蔵庫の需要期は7・8月です。
夏の暑い時期に「冷えにくくなったかな」と故障に気づき買い替えに至るパターンが多いです。(ボーナス支給があったりしますしね)
いわゆるシングル向けの小型冷蔵庫は3月が最需要期です。
需要期を終え、9月10月になると新製品が登場します。
量販店は機種の入れ替えをしますから、この時期に購入するのが最もお得です。
新製品になると20万円超えが当たり前ですが、モデル末期の冷蔵庫ならだいたい450リットル前後で12万円台が底値、500リットル前後だと14万円くらいが目安です。
12月頃までお得な旧型が残る場合もありますが、機種の選択肢が減ってしまいますので、9月末~10月頭ころに購入するのがおすすめです。
冷蔵庫の大きさとドア選び
一般的に冷蔵庫の適正なサイズは
家族の人数×70L+常備用100L+予備70L
と表されることが多いです。
我が家の場合、ふたり暮らしなので310リットルですね。
ぜんぜん、足りません この公式忘れてください。
この公式が書いてある記事も今すぐ全部忘れてください。
冷蔵庫の大きさ選びはズバリ、置ける限り最大容量を選べ です。
というのも、冷蔵庫は一般的にサイズが大きいほうが消費電力量が少ないからです。
例えば日立の230L R-23JA の年間電気代(50Hz)は 9,450円、430Lの真空チルド R-XG43J が7,749円、602Lの真空チルド R-HW60Jが6,993円です。
冷蔵庫は中に詰めすぎないほうが冷蔵効率が良いので(冷凍庫は逆)、なるべくなら大きいものをおすすめします。
メーカーやシリーズによっても異なりますが、400Lを超えてくると消費電力量が少なくなる傾向があるので、300L台はなるべく避けましょう。(よくカタログをみてね)
ここ数年のトレンドとしては「断熱材の進化」があります。
断熱材がより薄くなったことで、冷蔵庫の幅がスリムになってきました。
幅60cmのスリムタイプの大容量モデルなどもありますので、先ずは冷蔵庫置場に置ける最大サイズを選ぶのが良いと思います。
450リットル超えの冷蔵庫で60cmのスリムタイプは東芝の他に、三菱電機の「置けるスマート大容量」シリーズやパナソニックのNR-E454PXなどがあります。
ちなみに冷蔵庫の背面の放熱のために開けるべきスペースも東芝 VEGITA GR-M470GWは壁にぴったりつけてもいいらしいですよ。(この辺は機種ごとによく調べましょう)
我が家では奥行きは5cmほど増えたものの、365リットルから470リットルと大きく容量が増やせました。
冷蔵庫は大きいが正義です。
ただし「置ける」だけでなく扉の開閉時のサイズもよく確認しましょう。
寸法図に扉を開けた時の必要サイズが載っているはずです。
我が家はスリムタイプであっても、観音開き(フレンチドア)の場合は扉が食器棚に干渉してしまうことがわかりましたので、どちらにするか悩んでいたGR-M460FDは選択肢から外れました。
次に片開きのドアの場合は右開きか左開きかを選択する必要があります。
我が家の場合、キッチンで調理中に冷蔵庫を開閉する場合は左開きが適しているが、食材を買って返ってきた後に収納する場合は右開きが適していました。
どちらが開閉頻度が高い、または動線として優れているかを話し合い、結果右開きを選択しました。
買い替えの際には、出し入れどちらに重きを置くか十分に検討しましょう。
我が家にやってきた東芝 VEGITA GR-M470GWはドアにタッチオープン機能がついています。
肘などでも接触すれば開けられますので、料理中に開閉する時に便利です。
もちろん手動でも開けられますから、この機能が不要という人はタッチオープンの機能を切ればOKです。(チャイルドロック機能もついていますよ)
冷蔵庫の野菜室はどこにあるのがいいか
我が家は食材として野菜を最も多く使います。
そのためいわゆる「真ん中野菜室」が冷蔵庫選びの中でマスト要件でした。
いちいち野菜を出す度にしゃがみたくないですからね。
真ん中野菜室を採用しているのは東芝とシャープの冷蔵庫です。
パナソニックのJコンセプトや一部三菱電機の冷蔵庫にも搭載されています。
ちなみに真ん中野菜室の特許をもっているのは日立なのですが、なぜか日立は中型冷蔵庫にしか採用していないです。
なるべく野菜室の容量が多いものを選びたかったので我が家は東芝を選択しましたが、一般的に野菜室の手前部分、ここは野菜を入れることが推奨されておらず、飲料などを保管するスペースとしてカウントされています。
一見野菜室の容量が大きいと思ってもデッドスペースがあることは忘れずに。
なおシャープの真ん中野菜室はこの飲料用のデッドスペースがないので、実際はそこそこ収納できますよ。
↓手前の部分が野菜が入れられない
昨今の冷蔵庫の野菜室には野菜を長持ちさせたり栄養素をアップさせるような機能がついているものもあります。
シャープは「雪下シャキッと野菜室」、低温で保存しますから根菜が好きな方にはおすすめです。
日立は「新鮮スリープ野菜室」、野菜から出るエチレンガスなどををプラチナ触媒で分解して得た炭酸ガスで野菜の呼吸活動を弱めることで、栄養素の減少を防ぐのだそう。
三菱電機は「朝どれ野菜室」、LEDを使って光合成を促しビタミンCをアップさせますから、葉物野菜が野菜室で中心になる場合におすすめ。
パナソニックは「Wシャキシャキ野菜室」、湿度コントロールとナノイーを野菜にかけているらしいです ナノイーがどう効果があるかはちょっとよくわかりません。
こういうのは各メーカーどれが良いのかイマイチわかりにくい機能ですけど、10年前にはこういった機能はほとんどありませんでしたから、野菜室の進化は間違いなくあると思います。
カタログ見本の写真では野菜がそのまま放り込んでありますが、実際は新聞紙でくるんだりスーパーで買った時のビニールやラップでくるまれている状態で保存しますから、容量と野菜室の位置で選んでも良いと思います。
以前は三菱電機が「縦型」の野菜室を配置したモデルを作っていて、ネギが縦に収納できちゃう面白さがあったのですが、野菜をいかに長持ちさせるかを各社が考えているのは使う側にとっては良いことだなと思いっています。
もちろん機種によってはこれらの機能がついていない場合もありますからよくご確認を。値段じゃなくてその機能が必要かどうかで選びましょう。
冷凍室の選び方
冷凍室の使い方こそ、各家庭のライフスタイルによって変わってくるので選ぶのが一番楽しいところですね。
今、冷凍庫をどう使っているのかをよくよく考えましょう。
プラス、新しい冷凍機能を使うと幅も拡がりますので、冷凍庫で何をしたいかを事前に確認してから選ぶのが吉です。
まず冷凍してストックする機会が多く、とにかく冷凍室が大容量のものが良い!というのであればシャープの「大容量メガフリーザー」がおすすめです 冷蔵室の容量と引き換えに他社よりも30リットル程度大きくなっています。
シャープはキラッと製氷モードという時間はかかるけど簡易のロックアイスを作る機能がついていますので、お酒大好きな人も注目です。
また大型冷蔵庫には通常の冷凍室とは別に、アルミ皿がついた急速冷凍用の小さな冷凍室が製氷室の隣に配置されています。
冷凍室の庫内温度を下げないために、予めここで30分だけ急速冷凍をしてから移動するなどの使い方をします 。
この急速冷凍で優れた機能をアピールしているのは三菱電機の「切れちゃう瞬冷凍」で、いわゆるルイベのような状態にして、栄養素をなるべく落とさずに凍らすモードなのです。
これの切れちゃう瞬冷凍に魅力を感じる方は多いと思いますが、このモードを使える瞬冷凍室は小さいので、常時保管する場所としては使いにくいと思います。
もともと我が家では冷凍室の中にはロックアイスとウィスキーしか入っていないような全く冷凍をしない生活だったのですが、東芝 VEGITA GR-M470GWの急速冷凍の機能のおかげで、白菜やネギなどが冷凍させられるとあって、結構活躍するようになりました。
この冷凍室はタッチパネルで温度コントロールできます。(大変便利)
チルドルームで冷蔵庫を選ぶ
冷蔵室よりも温度が低く、冷凍庫の用に凍らないおおよ0℃前後にキープした冷蔵室をチルドルームなどと呼びます。(氷点下になるとパーシャルとかなんとか)
お肉やお魚を保管するのに適した場所です。
こちらも各社機能をアピールしているわけですが、際立った機能を示しているのは日立の「真空チルド」CMでもおなじみですね。
「ラップなしでもいけまっせ」というのが特徴ですので、例えば家族で夕食を食べる時間が異なる時に後から食べる人用にお刺身を冷蔵庫に入れておく、みたいなライフスタイルの方にぴったりです。
冷蔵室で冷蔵庫を選ぶ
メインとなる冷蔵室は、10年前に比べて庫内がLEDで照らされて非常に明るく見やすくなりました。
こういった点でも使い勝手が良くなっていて、家電としての「洗練」を感じます。
冷蔵室でチェックすべきポイントは各棚の高さと可動性です。
お鍋ごと冷蔵庫に入れる、取っ手の取れるタイプのティファールのフライパンを直接冷蔵庫に入れるなどなど、庫内の棚の高さが自由に変えられるかはポイントになってきます。
三菱電機の一部機種には「動くん棚」という便利な機能がついているのですが、フラッグシップ機にはなぜか付いていないです…
冷蔵庫の最上段はデッドスペースになりがちなため、上部のスペースを減らして下部(野菜室・冷凍室)を使いやすくしようというのがパナソニックの考え方で、パナソニックのみ最上段後方にコンプレッサーが配置されています。
重量のある部品が一番上にあるというのは地震の多いこの国で使うのはどうかなと…もちろん様々な試験をクリアしているとは思いますが、家電固定具などはしっかりと設置しておきたいですね。
冷蔵庫をデコる
最近の冷蔵庫の主流は前面ガラスドアです。
掃除もしやすく清潔に保てるし、高級感も出る一方で、特にホワイトの冷蔵庫はデザインが「のっぺり」と見えがちです。
「道具」だと考えて気にならない方も多いかもしれませんが、私は東芝 VEGITA GR-M470GWはちょっと殺風景すぎるかなと思いました。
なので、自分でデコってしまおうとカッティングシートを貼ることにしました。
ガラスなのでカッティングシートをピッタリと貼ることができます。(もちろん剥がすのも簡単)
お部屋のインテリアに合わせてカスタマイズできますよ。
こんな感じです。
空気が入っているのはご愛嬌
ガラスパネルになって磁石がつかなくなった!みたいな意見も見かけますが、マグネットシートを貼れば解決しますので、冷蔵庫のドアは広大なキャンパスだと思ってデコると楽しいです。
冷蔵庫の選び方まとめ
それでは冷蔵庫の選び方のまとめです。
冷蔵庫は12年に1度の買い物ですから、失敗はしたくないですよね。
購入前にこんなことをチェックしましょう。
1.冷蔵庫は壊れる前に買い換えよう、時期によって値段が大きく変わる家電です
おすすめは9月~11月です
2.設置できる可能な限り大きなサイズを選ぼう
大きいは正義!冷蔵効率もよくなり消費電力量が抑えられます
設置スペースだけでなく搬入経路もよく確認しましょうね
3.何が一番必要かを書き出そう
冷凍庫のサイズ?ナマモノの保存?真ん中野菜室?
冷蔵庫は各メーカーそれぞれ得意な部分のある家電です。
あなたのライフスタイルにあった冷蔵庫は、何が必要かを書き出し調べれば見つかるはずです。
私は今回の買い替えまでは冷蔵庫は成熟した家電だと思っていましたが、10年間の進化に驚きました。
良い家電は家事を減らしたり、生活をより豊かにするための機能が備わっています。
願わくば見た目や値段の安さにばかり注目したり、安易な「おすすめ冷蔵庫10選」みたいな記事に踊らされずにじっくり選んで欲しいと思います。
この記事があなたの冷蔵庫選びの一助となりますように。