私は「エモい」という言葉が苦手です
映画を見て涙を流すことだってあるし、小説を読んで主人公の想いに自分を重ねることもあるし、大好きなバンドのライブに行って自然と拳を突き上げることだってあるけれど、それが「エモい」だなんて思ったことがありません
美味しい食べ物なんてたくさんあったけど、感動するほど美味しかったことなんて片手で数えたって余るくらいだし、
大長編ドラえもんを観た翌日に、世界を守るために立ち上ろうと思ったこともありません
ただ人生の中で、ずっと忘れられない感情を揺さぶられた出来事はいくつかあります
2017年12月23日はそのいくつかになりました
rem time rem time ワンマンライブ「エコーロケーション」
八王子発5ピースバンド rem time rem time のワンマンライブ「エコーロケーション」に行ってきました
2017年に出会ったバンドの中でずっと心に残っている存在だったrem time rem time
彼らのキャリアの中ではじめてのワンマンライブ
八王子 Match Voxには人が溢れていました
rem time rem timeは様々なジャンルのメンバーが集まって出来たオルタナティブバンド
CDが全国流通しておらずわざわざ八王子まで買いに来たのは確か夏だったはず
2枚の音源でも彼らの持つ音楽の力は感じていましたが、ステージ上のそれは全く別物でした
3重のギターが縦横無尽に響き渡って空間を覆い尽くしていて、
ドラムはもうどうやって叩いているのか、リズム隊としてではなくてそれ自身が楽器であることを証明するようで、
初鹿利佳さんの歌声は「小柄な女性とは思えない力強く儚い歌声で」みたいなことを感じるんじゃないかと思っていたのですが、そんなチンケな言葉で表せない
男性とか女性とか関係なく、rem time rem timeが作っている音楽そのものを全身から奮い出している姿は圧巻でした
ゲストアクトのnecozeneco マサルさんとの「東京と」で掻き鳴らされる4本のギターの応酬と
ハルカミライの学くんの感情に訴えかけてくるパワーに溢れた「ファイト!」
その後に飛び込んできたシングル曲の「pool」では、全身の細胞をこじ開けられて何か引きずり回されたような感覚になりました
2018年の1月24日にPizza of Death内レーベルのJun Gray Recordsから全国流通版のフルアルバム「エピソード」がリリースされます
Pizza of DeathというとハイスタやWANIMAを排出したメロコアレーベルのイメージでrem time rem time のそれとはちょっと違うかなと思っていたのですが
レーベルを率いるJun Gray氏の「ジャンルとかは関係なく、お前たちの音楽は伝わる」という言葉と、
初鹿さんの「今ここに来ている人たちはジャンルとかそんなもので来ているわけじゃないと思っている」という言葉、
まさにその通りに伝わって集まっているんだということはフロアに居た私達が証明していると思っています
新しいアルバムから「yellow」
唯一メンバー5人全員で作った、彼のための曲
私はこれほど叙情的なステージは経験したことがありません
彼らにとって12月23日は特別な日で
リスナーには共有できないたくさんのことがあると思います
彼の一番好きだったというフジファブリックの「若者のすべて」のカバー
確かに音楽として私の中にも響いてきました
昨日はワンマンありがとうございました。
— rem time rem time (@remtimeremtime) 2017年12月24日
necozenecoからマサルさん!
SWANKY DOGSから洞口!
ハルカミライから学!
O.A.にマツモトシオリさん!
そしてMatch Vox!
昨日はあえて写真は撮りませんでした。
八王子に来てくれて本当にありがとう!
そして歌ってくれてありがとう。
彼に届いたはず! pic.twitter.com/ny0yNiLRmi
アンコールで全員でシンガロングした「ひかりのまち」はずっと忘れられないものになるでしょう
ライブやコンサートに行くには人それぞれ理由があって
大好きな曲を聴くためだったり、超絶技巧の演奏家の音に酔いしれるためだったり、ストレス発散のためだったり、かっこいいダンスを観に行ったり、応援しているアイドルの勇姿を眺めに行ったり
人それぞれの琴線は違っていて、それでいいし、それがいいし
感受性の違う人に無理やり押し付けるのも変な話なんですけど
それでもこのrem time rem timeというバンドが素晴らしい演奏をしていることを伝えたいのです
以前、POTのよしくんがMCでこんなことを言っていたのを思い出しました
「イェーイ!って言ったらみんなもイェーイ!って思っきりやった方が楽しいで
やる or やらん、やったら、やったほうが絶対楽しい」
YouTubeで音楽聴いた気になって、ストリーミングで垂れ流されて消えていって
ライブの抽選券だけ抜かれたCDが捨てられていって
そんな時代だからこそ、消費される音楽じゃなくて、ずっと残る音楽を
世界を救うために立ち上がれなくても、誰かのエモーショナルを揺さぶれるきっかけになるかもしれないとブログに書きました
rem time rem timeのライブ行って、CD買ってください
本当にエモいから
グッズもかわいい