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写真のアウトプット媒体について考える

先日FINLANDSやsumikaのアートワークをしている大川直也さん(NAOYA OHKAWA)の個展へ行ってきました。

グラフィックから写真の世界に来た方なので、無から有を生み出すタイプの写真たちで

それでいて色味なんかは昔のコダックカラーになってて面白い写真が並んでいました。

すごく良かったです。(特に3本の蒸気のやつめっちゃ良かったです)

 

一方で展示されている写真が販売されていたのですが、その価格を観て驚きました。

「4,800円」

安すぎやしませんかと(ちなみにA3伸びサイズくらいです)

 

例えば南しずかさんなら、オリジナルプリントは約6万円くらい

南しずか MINAMI Shizuka | Photo Classic - 株式会社フォトクラシック

三好和義さんなら約5万円~

https://wephoto.jp/shop/products/list.php?category_id=98

佐内正史さんのプリントが激安で販売されていたことも(買いたかった…)

佐内正史 購入予約申込受付終了!|現代アート販売(通販)のタグボート

 

大川さんのファン層からして手に取りやすい価格としての4,800円というのは理解できるんですけど、アート作品の写真としてはもっと値段が高くていいのではないかなぁと私は感じました。

 

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ただこれらの価値を生んでいるのは、作品の品質はもちろんですが、プリントそのものの品質も重要です。

 

インクジェットプリントを否定して銀塩最高!とかいう暴論ではないのですが、大川さんのプリントは色の乗り方(特に黒)・解像度の低さ、また何よりギャラリーの地面に直接置かれたプリントにホコリが積もっていたり、という段階で価値を損なっていると私は感じました。(大川さんごめんなさい)

 

しかしもうデジタルカメラの時代にはプリントする必要がそもそもないわけで、

デジタルネイティブ世代にとっては、銀塩印画紙に手焼きされたプリントなんて見る機会がありません。

 

わざわざ紙にしなくてもシェアできる世の中で、写真家はどうやって作品を売ったら良いんだ?という疑問が湧いてきました。

デジタル時代のアウトプット媒体は何が適切なのか。

そんなことを考えてみました。

 

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フィルム時代の写真のアウトプット媒体は当然紙が最終型です。

感光されたフィルムを印画紙に再度「撮影」して引き伸ばす

いわゆるDevelopment → Printing → Enlargementですね。

ポジフィルムみたいにスライドで写すこともできますけど、まぁだいたい紙です。

 

ネガフィルムで撮った写真のアウトプット媒体として紙焼きを選んだ場合、

その方法・印画紙の種類・プリント技術で仕上がりが別物になります。

だから手焼きだったりプロラボだったりで引き伸ばされた写真プリントに価値がでてくるわけです。

 

 大川さんの場合ライカのM5をお使いだと思いますので、アウトプット媒体としては印画紙による紙焼きが良かったのではないかと思います。

あるいは『BI』のジャケット写真のシリーズなら、一旦デジタル化はされるもののクリスタルプリントが映えたんじゃないかなぁと感じています。

クリスタルプリントの後ろからライトで発光させたりしたら面白かったろうなぁと。

fujifilm.jp

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一方でデジタル写真の場合

そもそも紙にしなくても観られるわけですよ。

SNSやら写真ブログを高細密なタブレットやスマホで観れば完結するわけです。

 

とりわけ私が人に勧めているのは、4Kテレビで写真を観ることです。

大画面で立体感が生まれるような映像表現は息を呑みます。

4Kテレビ、あれ写真を観るための機械ですよきっと(キャリブレーションは知らん)

 

ただ、4K解像度できれいに観える写真をどうやって「売る」のか。

なんせデジタルデータですから複製が容易です。

ストックフォトを買うのとは訳が違います、写真家の作品をデジタルデータで5万円で買います?

私は買いません。

 

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時代によって表現に使う媒体は変わっていきます。

現代で写真を楽しむにはわざわざDPEショップに行ってL版にプリントする意味は薄れてきました。

 

スマホで気軽に簡単にキレイな写真が撮れるようになり、写真が趣味という人が大きく増えていると聞いています。

「いいね」を媒介して楽しむ写真趣味もとても楽しいです。

 

一方で写真家っていうのは、写真趣味とはまた全然違うところで生きているもので、作品を残しておく必要があると思います。

アウトプット媒体は写真集かもしれないし、紙じゃないものへ印刷するかもしれません。

 

ただ展示の写真を欲しい と言われたときには

販売する方法としてはアナログだけれども紙媒体が最適なんじゃないかと思います。

 

若い写真家のみなさんはちょっとだけプリントの品質にも目を向けてみてはどうでしょうか。

あなたの写真の価値を最大限に引き出すために、ちょっと紙焼きやってみませんか。

当然お金がかかることですが、あなたが思っている以上にその写真には価値があると思います。

 

 

さて全然違う話ですけど、我が家にカラーの引き伸ばし機が眠っているので、欲しい人いたらツイッターかなんかで相談ください。

LUCKY 引伸機 - ケンコー・トキナー オンラインショップ アウトレット

↑V70-D colorが倉庫にいます

 

記事中の写真は大川直也さんとは関係ありません、最近私が撮ったお散歩スナップです

大川さんのサイトはこちら

http://naoyaohkawa.com/

めっちゃかっこいいからみんな見てね。

 

あとFINLANDSのCDも買ってね。

BI

BI

 
paper

paper

 
JET

JET

 
LOVE

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