ポータブルオーディオの世界で名前の知れた中国のFiiOは今年で創業11年、かつてはオヤイデ電気が代理店でしたが今年の2月から株式会社エミライに代理店に変わりました
かつてよりラインナップも増えた今、各製品を触って遊べるタッチアンドトライイベントが開催されるということで
8月22日ノー残業デーを活用して北品川はエミライさんにお伺いしてきました
FiiOタッチアンドトライイベント
先ずはFiiOの強みについて座学から
もともとFiiOはアナログアンプからスタートしたらしく、アナログ回路にこだわりがあるのだそう
短期的なトレンド(DACとか)にとらわれない技術なのでそこが他社に比べて強みなのだとのことです
さらに他のメーカーよりワンマーク低いプライシングをしているのが特徴
最近高騰しているポータブルオーディオの世界だと確かにFiiOの商品ってちょっと安めに見えますね
以前の記事でも書きましたが、ポータブルオーディオの世界は流行っているとはいえ非常に狭いジャンル
にもかかわらずかつての日本のコンパクトデジカメくらいの頻度でラインナップが更新されているわけですから、宣伝費や開発費考えると価格が高くなっているのもしょうがないかなぁなんて勝手に思っているのですが、ブームの中でも良心的な価格設定をしている点は好感が持てます
眼の前にはFiiO製品がずらり
ここからは各製品を実際に使ってみました
自分で持ち込んだイヤホンは1216.earsの8EV(8BAの多ドラ)ケーブルはbirise audioのUPG001LE で4.4mmを
試聴曲はオルタナ:rem time rem time 『pool』
メロディックパンク:Dizzy Sunfist『Life Is A Suspense』
普段はSONYのNW-ZX300を使っているので比べたりしつつ、時間が限られていましたので試聴時間は短く瞬間的な感想です
フラッグシップ DAP FiiO X7 mark II
最近は10万円20万円が当たり前みたいになっているハイエンドDAPの中で10万円を切っているFiiOのフラッグシップ機が X7mark II
Android5.1ベースのカスタムROMでオーディオモードとAndroidモード切替可能
PC用のUSB DACとしても使えるし、光デジタルもあるので据え置きにつなぐのもいいかもしれませんね
↓一番奥が前機種のX7
アンプモジュールの切り替えで2.5mm or 4.4mmのバランス出力にも対応しています
今回はAM3Bを使って4.4mmのバランス出力を使ってみました
Android機なので操作はスマホライクで簡単です
212gとそこそこ重いですが、ほらオーディオは重いほうが良いって誰かが言ってたし…
ZX300に比べると低音強めでパワフルなイメージでした
濃厚な音が欲しいときはX7 markIIは良いなぁ
本体の容量は64GBと少ないのですがmicroSDカードを2枚もぶっさせます
ただSIMピンみたいなのでmicroSD入れるのがやや面倒 大容量のmicroSDをツッコミっぱなしという使い方かな
価格が他社のフラッグシップ機と競合しないので、バカみたいな価格設定に付き合いたくないという方におすすめです
新世代エントリー機 FiiO M7
続いて2万円台とグッと買いやすい価格帯のエントリー機のM7
ちょっと前まではX5 3rdとかそのあたりがハイレゾDAPの入り口でしたが、新発売のM7がその役割を引き継ぐ形となりました
商品のコンセプトとしては「有線でも無線でも高音質」だそうです
SoCが強化されAndroid7.0ベースに(操作はサックサクです)
コンパクトなサイズ感はウォークマンのAシリーズより分厚いけれども小さめ(めっちゃ角が鋭利だけどかっこいい)
バランス出力には対応していないのですが、バランス出力=高音質ってわけでもないのでそこは割り切った設計なのかな
無線接続(Bluetooth)はaptX HDやLDAC対応と幅広く、連続再生時間が20時間とかなり長いのも特徴でまさにウォークマンの対抗機って感じですね
ちょっと面白い機能としてはワイドFMにも対応しています(どのニーズだ)
音質に関して言うとそこはX7 mark IIの後だと何ともアレですが、スマホから音楽を分離したい方には音質向上のメリットはあるなと感じました
FiiO ポータブルヘッドホンアンプ Q5
FiiOのポタアンで一番上等なのがQ5
X7はDACチップがESSのES9028PROでしたがQ5には旭化成のAKM4490ENが採用されています
ボリュームの位置を検出する方法をデジタル方式にしているのでギャングエラーが起きないのが特徴です
Bluetoothレシーバーとしても使えて、たとえばiPhoneからBluetoothで飛ばしてきたデータはQ5のDACを通るので音質向上が見込めるとのことです(Bluetoothで聴かなかったので、効果の程はわかりません)
またどうでもいい情報として左右にUSB端子があり、設定でどちらを充電するか決められるらしいです
スマホやDAPによってUSB端子の場所が異なるので使い勝手の良さそうな方でという配慮だそうです
X7と同様のアンプモジュールでもってバランス出力にも対応します
X7 markIIと同じくAM3Bを接続して聴いてみましたが、音質はX7 markIIと大きく異なりました
スッキリしていて低音は少なめ
私はX7 mark IIの方が好みでした
FiiOは接続用のケーブルもたくさん用意してあり、これはL27というウォークマンのWMポートに接続するケーブルです
Aシリーズとつなぐにはちょっと本体がデカイかな
FiiOポータブルヘッドホンアンプ Q1 mark II
1万円台前半とかなりお値打ちなポタアンとして大変人気のQ1mark II
日本は海外に比べるとヘッドホンよりイヤホンユーザーが多いので駆動力がそこまで必要がないのでこのくらいのポタアンでも必要十分ってことで売れているそうです
2.5mmバランス出力にも対応しているので、バランス接続に興味がある方の入口としても良い選択肢ですね
FiiO BT接続ヘッドホンアンプ BTR3
今回初お披露目(技適を通った)となったBluetoothヘッドホンアンプ*1のBTR3
対応のBluetoothコーデックはLDAC, aptX, aptX-HD, aptX-LL, SBC, AACと全部盛りです低遅延のaptX LLに対応しているのが特徴ですね
Bluetoothレシーバーって正直どういう場面で使うのかピンと来ないのですが、スマホには有線で繋がず、レシーバーからは有線でつなぎたいシーンでしょうか
mmcxのBluetoothケーブル RC-BT
こちらはmmcxのイヤホンを無線接続できちゃうBluetoothケーブル
なんと5,000円!超安い
私も他社のmmcx Bluetoothケーブルを持っていますが、FiiOのRC-BTはSBC・AAC・aptXとコーデック対応も豊富で、かつ10時間も電池がもつ(すごい)のが優位性ありますね
有線に比べると当然音は劣るけれども利便性にまさるものはない感じです
Bluetoothは接続切れが懸念するところですが、今回は屋外で試せなかったのが残念…
FiiO ハイブリッド イヤホン FH5
Knowlesの3BA+1DD のハイブリッドイヤホン FH5
装着感はかなり良いです
エミライさん曰くFH5の付属ケーブル相性があまり良くないらしく、別売り(9,000円くらい)のLC-4.4Cを使わせてもらいました
ハイハットがキレいに響き、割と乾いた音が鳴るイメージのイヤホンですね
ベースとバスドラはドコドコ言わずにボッ!ボッ!と歯切れよく鳴って面白かったです
こってり聴くというよりはカラッと疾走感ある曲に合う印象を持ったのでパンクに相性いいかもしれません
結構気に入りました
X7 mark IIの音のイメージとはちょっと違うかなというイヤホンなので解像度が高くてさっぱりとした音のDAPやアンプと合わせるのが良さそうでした
そんなこんなで気がつけば予定の1時間半が経過
ポタフェスやヘッドホン祭りでは一つのブースにこんなに時間を費やすことはありませんから、たくさんの製品に触れられる良い機会でした
昨今のポータブルオーディオは中国の需要が一番大きいのかなとは思いますが
いつの間にか10万円どころか60万円もするイヤホンまで出てくる異常な状況で
こんな価格帯の商品が乱立するとピュアオーディオがそうであったように次第に新しく始めようというユーザーへの敷居がどんどん高くなってしまうのではと懸念しています
今回のイベントを通じてFiiOの製品は「ちょうどいい」という言葉がしっくりくる商品を作っているなと感じました
めちゃくちゃ高品質で尖っているわけでもなく、手抜きで安かろう悪かろうでもなく
スマホで聴くのを卒業したい、バランス出力をためしてみたい、Bluetoothで聴きたい、リケーブルしたい…etc
そういった新しいハードルを超えたいと思った時のファーストステップとして「ちょうどいい」ものが揃っていると感じました
「好きになる」ことは「よく知る」こと
「好きになる」がたくさん増えると、趣味が豊かになります
FiiOというメーカーが好きになった良いイベントでした
フィーオ ハイレゾ・デジタルオーディオプレーヤー(シルバー)4GBメモリ内蔵+外部メモリ対応FiiO M7 FIO-M7-S
- 出版社/メーカー: FiiO
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*1:業界的に名前がきまってないらしい