年間約30回ほどライブハウスへ通います。
ライブハウスやフェス会場では爆音が鳴り響いていて、それが最高の魅力なわけですが、当然そんな轟音にさらされると回復できないダメージを耳に与える可能性が大きいです。アーティストの突発性難聴のニュースや「ライブ難聴」という言葉が一般的になりライブ用耳栓はなくてはならないアイテムということが浸透してきたと感じます。
私がライブ用耳栓を使い始めた5年前に比べるとライブ用耳栓の種類も増えてきました。
今回イヤホンやイヤーピースでおなじみのAZLAから新製品BREATHING EARPLUGS POM1000が出たので早速買ってライブハウスで使ってみました。
私が所有する他の5種のライブ用耳栓とAZLA BREATHING EARPLUGS POM1000を比較していきます。どのライブ用耳栓を買うのが良いかの一助になれば嬉しいです。
ライブ用耳栓に必要な役割
ライブ用耳栓に求められている役割はズバリ
「音質の低下を最低限に抑えながら、耳にダメージを与えるレベルの音量を下げる」ことです。
特に家庭では到底鳴らし得ない「低音」がライブの大きな魅力です。
しかしライブ用耳栓を使うとこの低音がいくらかカットされます。
ポップス歌手の歌声だけ聴きたいなら別にそれでもいいかもしれませんが、ライブハウスにはCDやストリーミング再生では得られないたくさんの音が鳴っています。
それらを楽しむために、音質の損失を最小限にできるライブ用耳栓がオススメです。
音質の損失を最小限にするライブ用耳栓とは、
「自分で音量の減少をコントロールできるライブ用耳栓」のことです。
具体的にはライブ用耳栓をどこまで耳に挿し込むかを調整できればこれが果たせます。
浅く差し込めば音量の減少と音質の損失は少なく、深く差し込み耳と耳栓を密着させれば音量は大きく下がり、聞こえない音が多くなります。
さてAZLA POM1000はこれらが満たされたライブ用耳栓かレビューしていきます
レビュー ライブ用耳栓 AZLA BREATHING EARPLUGS POM1000
先ずはAZLA POM1000の付属品からチェックしていきます。
付属品の豊富さがAZLA POM1000の魅力。
イヤープラグ本体、携帯用ケース、保管用ポーチ、イヤープラグストラップ、
体温によって柔らかくなる素材の傑作イヤーピース SednaEarfit XELASTEC のSS MS MLの3サイズが1ペアずつ、
サラッとした素材で長時間利用で疲れにくいイヤーピース SednaEarfit max のS M Lサイズが1ペアずつ(Mサイズは最初からイヤープラグについています)
AZLAのイヤーピースは昨今の値上げでそこらの低価格イヤホンよりも高価で、それらが6ペアも入っているせいでAZLA POM1000も約6000円と非常に高価格なライブ用耳栓です。
カラーはブラックとガンメタリックの2種類、私はブラックを選びました。
背面のロゴ部周囲に見えにくいのですが、音量調整のバーが付いています。
AZLA曰く「離圧による圧力防止機能 エアホール」です。
イヤープラグを捻るとこのバーが動き、12時の位置がMODE1、6時の位置がMODE2です。
MODE1が「騒音の完全に遮断する密閉モード」
MODE2が「エアホールによる空気循環を可能にするオープンモード」
ライブ用としてはMODE2ですね。
※耳にイヤープラグを挿したままプラグを捻るのは耳に直接ダメージがいくので絶対にやめましょう。
正面から見たところとイヤーピースを外したところです。
カナル式イヤホンとほぼ同じ見た目です。
多くの他社製イヤーピースも装着可能です。
イヤープラグ本体はアルミ製で、他のライブ用耳栓がシリコンやスポンジなのに比べて重量があります。
ストラップを取り付けたところ。
ライブ用耳栓にストラップは絶対必要です。
というのもライブ用耳栓は最初から最後まで突っ込んでいるわけではなくて、例えばMCの時に外したり穏やかな曲調の時に緩めたり、ヘッドバンキングで外れたり、モッシュで吹っ飛んだり、野外フェスの移動中に外したりと結構頻繁に動かします。
ただ、紛失対策にはストラップだけでなく、シャツクリップが必要で
Fitearのライブ用耳栓には付属しているのですがAZLA POM1000には付属していないのが残念です。別売り品を用意しましょう。
ちなみにストラップを取り付けた状態で携帯用ケースに入りません。
お馬鹿なの?
AZLA POM1000 の遮音性 音質低下はどのくらいか
AZLA POM1000をMODE2 オープンモードで実際にライブハウスで使ってみました。
結論から言うと、
付属のAZLA のイヤーピースを使用している限り、アルミ製の重い本体を脱落せずにキープするにはある程度耳の奥までイヤーピースを差し込む必要があり、結果として密閉度が高くなり多くの音域を損ないました。
今、手元にカナル式のイヤホンがあるのならばそれを耳に挿した状態でスピーカーから出る音を聞いてみてください。大差ないです。
耳の形状は人それぞれ違うので、私の感覚が一般化できるわけではない前提で、
AZLAのイヤーピースはイヤホンで音楽を楽しむためには傑作ですが、ライブ用耳栓に使うには最良とは言えないようです。
ライブ用耳栓の老舗のCRESCENDO や THUNDERPLUGS は3段フランジタイプのイヤーピース(正確にはイヤーピースではなくて本体そのものですが)を使っています。
「遮音性をコントロールする」という目的で3段フランジタイプのイヤーピースがライブ用耳栓には最も優れた性能を発揮します。
市販ではEtymotic ER38-15SMが3段タイプ、Spinfit CP240や Acoustune AET06など2段タイプを取り付けるとAZLA POMでも脱落せずに遮音性をコントロール可能です。
実際にSpinfitCP240をつけてみましたが、本体が重いのが致命的で浅く装着するのはやっぱり難しかったです。
そしてわざわざそれを用意してまでAZLA POM1000をライブ用耳栓として使う意味はないかもしれません。
ライブ用耳栓 比較 どのライブ用耳栓が優れているか
私はこれまで6種類のライブ用耳栓をライブハウスで使用してきたので、どのライブ用耳栓が音質の損失を最小限に音量を必要分だけ下げられるか、また紛失対策など含め使いやすいかを比較します。
私が実際に使ってみてライブ用耳栓として優れていると感じた順番です。
- ETYMOTIC RESEARCH ER20XS
- CRESCENDO Music
- Safe Ears THUNDERPLUGS
- FitEar イヤープラグ
- AZLA POM1000
- クリオネ
ETYMOTIC RESEARCH ER20XS
最も多く使っているのがエティモのライブ用耳栓です。
シャツクリップが付いていないのだけがマイナスポイントですが、それ以外はベストです。ライブ用耳栓を買うならこれをおすすめします。
CRESCENDO Music
タワレコなどでも購入できる定番品。
ストラップがないのが残念ですが、軽く装着しやすく浅くつけても落ちにくいので遮音性をコントロールに長けています。
2サイズ付属しているので友人とシェアしてもいいですね。
Safe Ears THUNDERPLUGS
CRESCENDOと似ていますが、こちらのほうが遮音性が高く、よって音質の損傷はこちらの方が大きいです。好みの問題なので低音あまり好きじゃない人はこちらがいいかも。
FitEar イヤープラグ
以前の記事でボロクソに書いたのですが、今は改良された2代目が販売されています。(2代目も買いました)
ストラップやクリップは最高ですが、耳に接着するのがスポンジのため保持や遮音性コントロールがしにくいです。
CRESCENDOなどよりも遮音性は低いので、耳の形状が合う人には良いものになるかもしれません。
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レビュー ライブ難聴対策 ライブ用耳栓 FitEarライブ専用イヤープラグはおすすめできない - GAJUMARU
AZLA POM1000
本記事記載の通り、他のライブ用耳栓の倍以上の価格にしては優れたところがあるとは思えません。すでに手持ちに3段フランジタイプのイヤーピースを持っていて、AZLAのイヤピースをイヤホン用に使いたい人は買ってもいいかも。
クリオネ
安く売っていることが多いので、お試ししてみたいくらいの動機で。
職場で使っています。
<ライブ用耳栓関係の過去記事>
まさかライブ難聴? 耳鼻科で検査して、もう一度ライブ用耳栓について考えた話 - GAJUMARU
レビュー ライブ用耳栓比較 イヤープロテクター CRESCENDO MusicとSafe Ears THUNDERPLUGS ライブ難聴対策に - GAJUMARU
レビュー ライブ難聴対策 ライブ用耳栓 FitEarライブ専用イヤープラグはおすすめできな