finalが主催する「音響講座」へ行ってきました。
S'NEXTのシニアサイエンシスト(あってます?)の濱崎さんが登壇し、
大きく分けて
- 人間が音を知覚する仕組み
- イヤホン・ヘッドホンの音を感じる仕組み
- イヤホン・ヘッドホンを比較視聴する要素
の3つをわかりやすく講義いただきました。
有料のセミナーですので内容に関しては言及しませんが、
(1,500円と安価なセミナーにも関わらず直販サイトで2,020円のイヤホンをお土産にいただけてめちゃお得です)
ベースとなる知識がセットされ非常に有意義でしたので、次回があればあなたも是非。
さて、このブログを始めたきっかけは
世の中にあるレビュー記事や口コミが信用に乏しく、本当に良い買い物体験がそれらに脅かされていると考えたからです。
ブログを初めて3年経ちましたが、
Amazonのレビューは一向に良くならず法令違反の商品が溢れ、
食べログは真偽はわからないものの点数と美味しさの相関関係が疑問で、
Googleでは割引目的で書かれた☆5レビューに汚染され、
それらに呆れたユーザーがSNSで検索すると血液クレンジングをしているインフルエンサーがいるわけで
インターネットはちっとも良くなりません。
オーディオの世界はどうかというと、
「オカルト」「プラセボ」「代理店のボッタクリ*1」のようなネガティブな言葉が溢れているように見えます。
講座冒頭、S'NEXT細尾社長のメッセージが心に残りました。
ざっくりですがこのようなことを仰っていました。
新しくオーディオの「マニア」になってくれる人が増えていないことに危機感を感じている。
その一因としてオーディオの世界の音質の表現が「ポエム」になってしまったこと。音質と同じく短期記憶での比較しかできないものの中で「味覚」があるが、
ワインの世界には「アロマホイール」があり、科学的に統一された基準をもとに言語化できるようになっている。
これらがあることで曖昧な「ポエム」ではなく安心して趣味として楽しめる土壌ができているのではないか。finalは音質の統一言語化、音質の見える化ができるように取り組んでいく。
イヤホン・ヘッドホンは音楽を聴くツールですが、趣味の世界でいうと比較視聴が主になりがちです。
これらに客観的な指標ができれば、オカルトだ何だとバカにしていた人たちも自らの好みのイヤホン・ヘッドホンを探すことができ、
ひいては音楽業界全体が「良い音で録音しよう・演奏しよう」という方向へ進んでくれるはずです。(このままだとストリーミングの圧縮音源でAppleのEarpodsで聴く前提の音質で良いやにされてしまいます)
味覚や聴覚の感性は経験に大きく左右されますから、多くの人がより良い体験をするために業界全体で取り組んでもらいたい課題ですね。
今回の音響講学ではベースの知識ができたことで、イヤホンなどに関してはよりわかりやすいレビューが書けそうな気がしています。
もちろんイヤホン以外の家電やもう一個のどら焼きブログでも、誰かの役に立つレビューを残すようアップデートしていきましょう。
観ても聴いても使ってもいないものをどこかから集めて切り貼りして「おすすめ10選」とか書いている中身空っぽの記事がなくなるまで、インターネットの片隅で抗っていきます。
*1:代理店は手数料ビジネスなわけだからボッタクっているのはメーカーじゃないのかしらね。代理店が差益をポッケに入れるわけじゃないでしょ。しらんけど。