GAJUMARU

ちゃんとした家電のレビューとオーディオと邦楽インディーズバンドと写真

私はダイソンなんて買わない 日立の紙パック式 掃除機CV-PE700を選んだ理由

今夏だましだまし使っていたキャニスターの掃除機 シャープのEC-QX310の部品が折れたり駆動音のキーが上がったりと故障の兆候が溢れ出してきたため買い替えを決意。

夏場のヤマダ電機ショックで掃除機相場もガッタガタになっており、価格的にもチャンスだったので購入しました。

 

このブログでは何度も書いていることですが、ここ数年の掃除機市場は「日本の掃除機総ダイソン化」ともいうべき状況です。

ダイソンは数量シェア・金額シェアともに国内シェアの1/3を超えています。イメージによる指名買いが多いダイソン、私は以前の記事で何故ダイソンを選ばないか書いていますので合わせてお読みください。

今お使いの掃除機を想像じてみてください。常に「強」運転していますか?強い吸引力(と呼ばれる何か)が必要なシーンなんて生活のなかでそうそうないです。

www.gajumaru.tokyo

ダイソン以外の掃除機の選び方

掃除機はブーム性の強い家電で、少し前はふとん掃除機、その前は本格サイクロンブームや吸引仕事率競争でした。

現在はコードレススティッククリーナーブームです。

 

コードレススティッククリーナーはコードの繋ぎ変えや取り回し難さを開放しました。

それと引き換えに充電する手間が増え、吸引力*1が弱くなり、また値段もずいぶん高くなりました。

 

一方で現行のキャニスター掃除機はというと

ブラシ(ヘッド)が進化しているのでそれほど吸引仕事率が高くなくても吸い込めるからと、多くのメーカーフラッグシップ機は小型軽量モデルになりました。

以前より吸引仕事率は低下し、騒音も大きめなのが多く見られます。

 

 さて私が掃除機を新調するにあたって先ずはメーカー各社のカタログ上スペックなどを確認します。

これまでの掃除機の良かった点と不満な点を書き出し、それらを維持・解消できる機能がついていそうな掃除機をピックアップしていきます。

 

我が家はそんなにホコリまみれなわけでもなく、毎日キッチンで小麦粉を撒き散らしてしまうウッカリさんでもないので「吸引力」は求めていません。

優先度の高いものから、下記を満たしている掃除機を探しました。

  1. 掃除機そのもののメンテナンスが楽なこと
  2. 騒音が小さいもの
  3. 排気がキレイなこと、身体に排気が当たらないこと
  4. 本体ができるだけコンパクトなこと
  5. ヘッドがモーター自走式であること

ダイソンのV10は1~4を満たしていません。

これらをすべて満たす掃除機として、我が家はこの10年間はサイクロン式(サイクロン風)キャニスター型をメインにつかってきたのですが、今回は紙パック式の掃除機を選ぶことにしました。

 

紙パック式掃除機は他所でも散々言われていることですが、掃除機の掃除をする手間がかからないのが最大のメリットです。

 

ダストボックスにたまったゴミをゴミ箱に移す手間、その際に舞い上がる粉塵ゴミへの対処、フィルターに詰まった微細ゴミの清掃などなど。

本格サイクロンだろうがゴミの圧縮機能がついていようがサイクロン式掃除機は掃除機の掃除に手間がかかります。

この手間が交換用紙パックのコストと比べてどちらが高いかは人それぞれです。

我が家は掃除機の掃除をする時間が無駄だと判断しました。*2

 

おおよそ6機種くらい見当をつけて、ヨドバシの掃除機コーナーで実機を触りつつ店員さんに相談した結果、これを買いました。

f:id:GANTHEBROW:20180909151743j:plain

 

日立 紙パック式 掃除機 かるパック CV-PE700

日立2018年最新モデルの紙パック式掃除機フラッグシップ機はCV-PF900ですが、ちょうど製品入れ替えの処分価格になっているCV-PE700を選びました。

CV-PE700とCV-PF900の違いはホースやヘッドの軽量化が図られていることが主です。

CV-PF900はまだ発売したてなので価格もこなれていませんので、どうしても最軽量を求めるわけでなければCV-PE700でも良いと考えました。

 

同じ日立の紙パック式掃除機では「日本の紙パック式 掃除機における吸引仕事率最強」モデルのCV-PF300があります。

こちらは店頭で試してみたところ、かなり本体が大きく重かったです…

 

日立の紙パック式 掃除機は 値段が高くなるにつれて

「吸引仕事率は落ちるが」

「ヘッドの性能が上がり」

「本体は軽量化され」

「騒音が小さくなる」

というラインナップになっており、どこに自分の好みを置くかによってモデル選びをすれば良いです。

ともかく吸引仕事率が高いほうが良い!という方はCV-PE90やCV-PF300を

軽くて静かなものが良ければCV-PF900(CV-PE700)、その中間ならCV-PF100といった感じで選びましょう。

 

前置きが長くなりましたが、ここから日立の紙パック式掃除機CV-PE700のレビューをしていきます。

レビュー 日立 紙パック式 掃除機 かるパック CV-PE700

 CV-PE700は2017年モデルの紙パック式掃除機のフラッグシップ機です。

付属品が一番多いのも特徴です。

こんな感じでたくさんついています。*3

f:id:GANTHEBROW:20180909151939j:plain

日立はフラッグシップ機に「ふとん掃除ブラシ」が付属しないのが残念ですが

 電動ビーターで布団を叩きながら清掃できる別売りのG-DF6があるのでどうしても必要な方はこちらを買いましょう。

日立クリーナー専用 電動ふとん吸口 G-DF6

日立クリーナー専用 電動ふとん吸口 G-DF6

 

 付属のブラシの種類が多いと普段使わない吸口の保管場所に苦労するので、そういったソリューションがないのがちょっと残念です。

 

CV-PE700は運転音が静か

運転音も吸引仕事率も公表しないくせに、他メーカーよりそれらが良いイメージを広告でしてくるメーカーがあります。

ダイソンの掃除機の運転音は広告では静かになっているような印象を与えますが、クソうるさいです。

ダイソン以外のスティック型掃除機は「キーン」という耳障りな高い運転音が出ることが多いです。

 

対してCV-PE700の運転は57~51dBと他の掃除機に比べても大変小さいです。

これは実際に動かしてみると感動します。

パワーブラシがボリボリ回転する音はやや気になるものの、本体から出る音は極めて静かです。

またスティック型のような甲高い音ではなく、比較的低い音が出ますので音量以上に不快感が低いです。

 

f:id:GANTHEBROW:20180909155511j:plain

この運転音だけをとってもCV-PE700は満足度が非常に高いです。

 

CV-PE700は排気もキレイ

続いて排気です。

ダイソンV8やV10を始め、SHARPのAirやその他の多くのスティッククリーナーでの不満は「排気が手に当たること」

生ぬるくホコリ臭い排気が持ち手にまとわりついてくると不快感MAXです。

 

CV-PE700の排気孔は上向きについているので、掃除中に排気でホコリを撒き散らすようなことも少なく、当然身体に排気が当たることもありません。

f:id:GANTHEBROW:20180909155745j:plain

多くのサイクロン式掃除機が「フィルターレス」をウリにしていますが、排気に関してはフィルターがあったほうが良いと私は考えています。

サイクロン式と違い集めたゴミは手前の紙パックに捕集されているので、このアレルオフフィルターを通っていくのは原則排気だけです。

排気をキレイにするためには空気清浄機と同様にフィルターが肝要でしょう。

f:id:GANTHEBROW:20180909155618j:plain

つづいて紙パックです。

紙パック式 掃除機では紙パックは純正品を使うのが重要です。

この紙パックそのものが実はフィルターになっており、集塵や排気にも重要な役割を果たします。

 

これらのおかげで、2週間ほど使用した状態での排気もほとんど嫌な匂いがありませんでした。

旧サンヨーにエアシスという空気清浄機能のついた掃除機がありました。(パナソニックが引き継いでいましたが惜しくも本年廃番となりました)

小型軽量化するとこういった機能は省かれる傾向がありますが、日本メーカーがダイソンと戦っていくにはこうした機能にフォーカスするのも良いのではないかと思います。

 

一方でCV-PE700は前述のCV-PF300などに比べて本体が小型な分、この紙パックの容量を最大に使いきれません。

同じ紙パックを使っていても集塵量は劣るという点はデメリットです。

 

CV-PE700は延長管が使いやすい

f:id:GANTHEBROW:20180909160405j:plain

なんてことはない延長管に見えますが、この延長管のボタンを押して感動しました。

なるほど、フラッグシップ機というのはこういうことか!

このボタンの作りが非常に良く、押しやすいんです。

 

さらに、このトリガーなんだと思いますか?

f:id:GANTHEBROW:20180909160530j:plain

持ち手の部分にあるこのトリガー

ダイソンみたいにこのトリガーを押すと運転すると思うじゃないですか…

 

足でヘッドを押さえながらこのトリガー引くと延長管が伸びるんですよ。

すごいこれ本当に便利!

長さ変えたいと思ったときにわざわざ屈んでボタン押してみたいなアクションが不要なんです。

なのでこの延長管には「サッとズームパイプ」という名前がついています。

 

CV-PE700はヘッドも優秀

f:id:GANTHEBROW:20180909161129j:plain

掃除機の吸引力は吸引仕事率だけではなくヘッド性能が重要ということはだいぶ知られるようになりました。

CV-PE700にはパワフル スマートヘッドという日立の掃除機の中で最上級のモーター駆動式ヘッドがついています。

前述のCV-PF300にはジェット吸引 スマートヘッドというパワフルスマートヘッドより幅広のヘッドがついており、広くてたくさんの場所を掃除したい方はCV-PF300の方が良いかもしれません。

f:id:GANTHEBROW:20180909161515j:plain

掃除機のヘッドは髪の毛やペットの毛が絡むと性能を発揮できないので、ここだけは定期的なメンテナンスが必要です。

ブラシはこんな感じで簡単に取り外せます。

簡単に取り外せるとはいうものの、この部分のメンテナンスは以前三菱電機の上位モデルについていた毛絡み除去機能が非常に便利だったので各社見習って欲しいです。*4

 

CV-PE700実際に掃除をして良い所・悪い所

スペックばかり見ていても仕方ないので、実際に掃除をしていきます。

f:id:GANTHEBROW:20180909161950j:plain

CV-PE700の運転モードは4つ

弱・中・強のお好み運転と「ecoこれっきり」による自動運転です。

 

掃除機で常に「強」で掃除している方は少ないんじゃないかと思いますが、それが「吸引力」を掃除機選びの最重要項目にしなくてもいい理由です。

我が家はCV-PE700が来てから「ecoこれっきり」運転しか使っていません。

 

パナソニックや東芝にもごみセンサーが搭載されていて床面の状況に応じて運転が変わっていきます。

CV-PE700もヘッドに付いているLEDランプが運転状況を知らせてくれるので、もう十分きれいに掃除ができたかどうかを判断できるようになっています。

 

またCV-PE700はヘッドを浮かすとブラシの回転が停止しますし、床面が汚れておらずLEDランプが緑色になると40秒間のアイドリングストップ状態になります。

ダイソンのように自分の判断でトリガーを引く必要はなく、掃除状況に応じてコントロールしてくれます。

こういった機能があるのも上位機の良いところですね。

f:id:GANTHEBROW:20180909162925j:plain

 状況お知らせ以外にもヘッドには前方を照らすLEDがついています。

これ店頭では最初はいらないんじゃないかと思っていた機能なんですけど、実際に家で使ってみるとすごい便利。

掃除機をかける場所は部屋の隅にまで至るわけで、隅の暗い部分が照らされるとすこぶる掃除しやすかったです。

f:id:GANTHEBROW:20180909163054j:plain

さらに上の写真を見ていただきたいのですが、そうヘッドがほぼ水平まで寝るんです。

「ペタリンコ構造」というそのまんまなネーミングです。

8cmの高さまで寝ます、めちゃくちゃ便利です。

f:id:GANTHEBROW:20180909163227j:plain

これ伝わりますかね?

「クルッとヘッド構造」手首をひねるとヘッドが90°回転するんですよ。

写真のように冷蔵庫の脇なんかを掃除する際にすこぶる便利でした。

ダイソンってヘッド曲がりましたっけ?*5

 

さてCV-PE700を使ってみて良くないと感じたところ

意外とヘッドが重く感じるんです。

ヘッドや延長管・ホースを含めると3.9kg。

本体は2.3kgと超軽量モデルなのですが、本体が軽い分かえって1.6kgの差分が掃除中には重く感じました。

 

もちろんモーター駆動の自走式ですから掃除機がけ自体はさほど苦ではありません。

後継機のCV-PF900はヘッドや延長管の重さを削っているので、他の方も気になっていたから改良したのかなと思います。

 

しかし重いといっても本体以外の部分はわずか1.6kgしかないわけです。

スティッククリーナーは天井やエアコンの掃除も楽々!みたいな宣伝をしていますけど、ダイソンのV10 Fluffyは2.58kgありますからね。

どう考えても高いところを掃除するにはスティッククリーナーは重いですよ…

 

高いところを掃除するとき、CV-PE700はこんなことができるんです。

見てこの写真

f:id:GANTHEBROW:20180909164717j:plain

曲がるロング吸口とワイドブラシを付けた状態です。

食器棚の上とか冷蔵庫の上とかエアコンの上とか、めちゃくちゃ掃除楽です。

クソ重いスティッククリーナーを担ぐ必要はありません、付属の曲がるロング吸口の角度を変えれば高いところもチョチョイのチョイです。

 

日立の紙パック式 掃除機CV-PE700はこんな方におすすめ

 今回の掃除機の買い替えは我が家にとって大成功でした。

スティッククリーナーは2台目の掃除機として使うには申し分ありませんが、メインの掃除機としてはまだまだ発展途上だと思います。

ブームに飲まれずに自宅の掃除においてどういう役割を果たす掃除機が良いのか購入前にリストアップするのがおすすめです。

f:id:GANTHEBROW:20180909171338j:plain

CV-PE700はこんな方におすすめの掃除機です

・最新型でなくても良い

1モデル型落ちだったおかげでフラッグシップ機なのにお値打ち価格でした。(購入時なんと約25,000円でした)

 

・掃除機の掃除をしたくない

サイクロン式掃除機内部のホコリを払っている時間が無駄に感じた方、その掃除の作業コストは交換紙パックを超えているかもしれません。

 

・静かな掃除機が欲しい

けたたましい高音が苦手な方は店頭の掃除機の価格ではなくカタログにある騒音値を観るべきです。

ダイソンは騒音値を公表していません、静かな掃除機を探している方はダイソンなど選択肢に入りません。

 

・部屋の隅々まで掃除したい

棚の下、テレビの裏、冊子の上のレール、細かいところに手が届く非常に便利な機能がたくさん備わっています。

 

もちろん各家庭で間取りもライフスタイルも異なります。

ロボット掃除機が良いかもしれませんし、同じ紙パック式でもパナソニックの方が合うかもしれません。

紙パック式のメリットが家事の改善につながらずサイクロン式の方が適している場合もあります。

 

ただ「吸引力」や広告宣伝のイメージだけでダイソンやスティッククリーナーをメインにするのは少し違う気がします。

 

掃除機の買い替えが迫っているあなたへ、

もし今ある掃除機への不満やこうあったら良いなという部分がこの記事と重なっていたら、日立の紙パック式掃除機のフラッグシップ機がおすすめです。

きっとダイソンを買うよりも安価で満足度が高いはずです。

 

ガジュマルも新しい掃除機でキレイになってご満悦です。

f:id:GANTHEBROW:20180909165042j:plain

*1:この場合は吸引仕事率とブラシと合わせた捕塵力みたいな意味合い

*2:東芝のゴミステーションは素晴らしいアイディアだと思うけど掃除機そのものの値段が高かったため見送りました

*3:ロング吸口を撮り忘れています

*4:何故か三菱電機の現行品にはこの機構がない

*5:ちょっとだけは曲がります